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2014年1月15日up

オーストリア・アイシスウィーン支部から新年早々、
第1回目の記事が届きました。

ウィーンの中心付近には、堂々たる女帝マリア・テレージア像が。 社会福祉や教育制度に力を注いだ賢明な王として愛されていました。

街角に立ったヴェルナー・ファイアマン首相の選挙ポスター。 教育の充実を訴えました。

観光客に人気、ウィーン市内を走る王朝風馬車。おしゃれな自然エネルギーです。

オーストリアの人たちにとって、原発反対は、議論の余地なく当たり前なのですね、感動!
(アイシス編集部・編集長水上洋子)

オーストリアのエネルギー

こんにちは。日本は広域で雪が積もったと聞きましたが、皆さん体調を崩されていないでしょうか?
ウィーンの街は、雪は降っていないものの、毎日どんよりとした天気でとても冷え込んでいます。 日暮れが早くとても長いウィーンのどんよりした冬には、2月頃までクリスマスイルミネーションが夜空の星や月の代りに街を彩っています。それぞれの家庭でも、たくさんのイルミネーションをしています。 暗くて憂鬱なウィーンの冬には、ほっこり心をも暖かく灯してくれるイルミネーションやライトは欠かせないものになっています。そのおかげで冬場は特にエネルギーが沢山必要になるということに……。
アイシス・ウィーン支部からの第一回目の記事は、オーストリアの最近の選挙と原発についてです。

原子力発電支持政党 ゼロ!

記憶に新しい昨年、2013年9月29日にオーストリアで国民議会(下院、定数183、任期5年)選挙が実地されました。任期5年間の下院の議員選挙で、定数183人です。 この選挙では、12政党が闘いました。日本人にとっての驚きは、それぞれの政党が掲げる政策に違いはあっても、「原発を支持しない」という点は同じだったこと。さすが、「原発ノー」の国オーストリア、素晴らしいですよね。簡単に今回の選挙へ出馬した主な7政党を説明します。

SPÖ(オーストリア社会民主党):中道左派 52議席(-5議席=前選挙での議席数との差)
ÖVP(オーストリア国民党):中道右派 47(-4)
FPÖ(オーストリア自由党):極右ポピュリズム政党 40(+6) BZÖ(オーストリア未来同盟):中道右派 0(-21)
Die Grünen(緑の党-緑のオルタナティブ):左派 24(+4) Neos (新オーストリア):中道右派 9(新党)
Team Stronach(チーム シュトロナハ):右派 11(新党)
その他5小政党

選挙の結果として印象的なのは、ヴェルナー・ファイマン首相が率いる与党の社会民主党が5名ほど議席を減らしたこと、そしてオーストリア自由党と、そして環境派の「緑の党」が議席を伸ばしたことです。

若者たちも原発反対は当たり前

オーストリアには今現在起動している原発はありません。1977年より、ウィーン北部にニーダーエスターライヒ州ツヴェンテンドルフ原発発電所が建設されました。しかし完成直前になって、放射性廃棄物の処理や安全性など原子力発電に対する反対運動が高まりました。そして1978年の11月の国民投票によって、オーストリアでは原発エネルギーを使わないことが決められたのです。以来、ツヴェンテンドルフ原発発電所は、一度も核燃料が入ることなく、現在はただの見学用施設となり、敷地に市民から寄贈された太陽光パネルが並んでいます。私の周りの若者達(20-30代)に考えを聞いてみたところ、脱原発は当たり前になっていて、「原発に反対か賛成か」など考えていない人が多いようです。「今、オーストリアの不安は近隣諸国にある原発。だから、EUの協力のもと、積極的にヨーロッパの脱原発に向けて働きかけていくべきだ」と考えている人もいました。
(ゼマンみのり)


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