一般的なメイク用品には、乳化剤の合成界面活性剤、仕上がりのなめらかさを出すための合成油剤や合成ポリマー、色をきれいに見せるための合成色素、さらに合成防腐剤が使われています。
合成界面活性剤は、たんぱく質を壊す働きがあり、肌を溶かして薄くしてしまう不安がありますし、合成ポリマーも肌に張り付いて肌バリアを壊してしまいます。
そのほかシミの原因になりやすい合成色素や合成防腐剤など、メイクには肌の負担になるものがたくさん配合されています。
そのように合成成分が多く配合されたメイク用品は、オフするときにも強いクレンジングが必要となり、これもまた肌バリアが壊されることで、慢性的な乾燥肌や敏感肌になってしまいます。
最近は、スキンケア効果がある植物エキスを配合したメイク用品も人気が出ています。
ただしここにも落とし穴があります。
それは植物エキスを抽出する際の溶剤です。最も一般的な植物エキスは、石油合成成分のBGです。
たとえばラベンダーエキスと言っても、それがBGで抽出した植物エキスであれば、化学的な溶剤の中に植物の一部が溶け込んだものにすぎません。
いっぽうオーガニックコスメでは、植物エキスの溶剤は、穀物を原料とした発酵エタノールを使うことが多いようです。
合成溶剤の「BG」は、正式名は、「1,3-ブチレングリコール」。従来は石油由来のアセトアルデヒドを合成して得られる成分ですが、最近は、サトウキビなどの植物からも合成されるようになっています。
植物から作られた成分というと、それは天然成分とイメージされがちです。
しかし植物原料であっても、高温高圧、化学溶剤などを使って、 分子式をバラバラにすることによって、新たに自然界にない合成成分を作ることができます。
つまり石油からであれ植物からであれ、自然界にない合成成分を作ることが可能なのです。
そしてとくに留意したいことは、石油からであれ植物からであれ、出来上がった合成成分は、同じ性質や働きを持っています。
「オーガニック生活便」のコスメのお取扱いについて監修している「日本オーガニックコスメ協会」は、「BG」については次のような見解を出しています。
「BG」は一般的にはとくに刺激がない成分とされているものの、 防腐剤的な効果もあることから、肌の常在菌を壊して乾燥へと導いたり、あるいは使用期間が長くなる場合は、ターンオーバーを阻害して、肌のくすみになる可能性があると考えています。
嬉しいことに、最近は、天然成分だけで作ったメイク用品も出てきました。
オーガニックなメイク用品は、合成界面活性剤や合成ポリマーを使わず、防腐剤も色素も天然成分で作られています。
また植物エキスの抽出エキスも天然成分の溶剤が使われています。
天然100%のオーガニックコスメで、素肌をしっかりと守りながら、メイクを楽しみましょう!