脱・プラスチック! オーガニック・キッチンで、体と地球の健康を守る

脱・プラスチック!
オーガニック・キッチンで、体と地球の健康を守る

キッチンにプラスチック用品があふれていませんか?

キッチンを見回してみると、まな板、調理器具、保存容器、ターナー、箸、フォーク、さらに子供用食器となると、カップ、皿や茶わんにいたるまでプラスチック……

そのようなキッチンで、毎日、食べ物を扱うと考えると、とても心配です。

というのもプラスチック用品は、石油から作られた化学物質であり、おまけに抗菌剤や防腐剤など、様々な化学物質が混ぜられているからです。

数年前から、海でプラスチック製品が微細なマイクロプラスチックになって漂っていることが問題になっています。しかし実は、マイクロプラスチックは、海だけではなく、川や土壌、そして大気中にも混じって漂っています。

そのため飲食を通じて、あるいは呼吸器系から、知らず知らずのうちにマイクロプラスチックが私たちの体の中に入り込み、蓄積されている可能性が高いのです。 昨今、以前にはなかったアレルギー、原因不明の不調、うつ病などが急増しているのも、こうした化学物質と関係がないとは言い切れません。

永遠の化学物質「PFOA」が体と環境の汚染に

プラスチック類の製造には欠かせないのが、可塑剤と言われる化学合成物質です。フタル酸エステルやアジピン酸エステルなど数多くありますが、近年、特に危険性が喚起されている可塑剤が有機フッ素化合物である「PFOA(ピーフォア)」です。

PFOAは、水をはじく性質があるので、フライパンの表面加工(テフロン加工)や、包装紙のコーティング剤、衣服や靴の被膜剤としても使われています。

コーティング剤としてPFOAが使われている包装紙は、食品を汚染する不安があります。

PFOAもまた自然界ではほとんど分解しない化学合成物質で、そのために永遠の化学物質「フォーエバーケミカル」とも呼ばれています。人体に入ると、排出されることなく、蓄積されたままになり、肝障害やガンなどの深刻な疾患の原因となることが報告されています。

PFOAは、生物の生殖活動に対しても毒性があることが報告され、ヨーロッパでは、すでに規制が始まっています。

日本全国の調査でも、あちこちの河川・地下水から高い濃度で、PFOAが検出されていると報告されています。

PFOAは、日本では「PRTR法」によって、令和3年の10月から有害な「第1種特定化学物質」に指定されました。しかし「PRTR法」は、その有害物質を使って排出した量を報告するだけで、禁止する法律ではないので、現在でも数多くのPFOAを含む製品が販売され続けています。

「脱・プラスチック」、キッチンにあるものを自然素材に

容器や食器、日用品、繊維製品、家具にいたるまで、私たちの日常生活に、プラスチック製品があふれるようになったのは、大量の石油燃料が使われるようになった歴史と重なっています。プラスチックの原料は、石油を精製する過程で出てくる余剰副産物ナフサです。

軽くて、容易に分解しないプラスチック。まさに現代文明ならではの便利な素材として無くてはならないものになりました。

しかしその便利なプラスチック製品が大変な環境汚染をもたらすとは、誰が予想していたでしょうか? 今や地球上では、毎年、何百万トンものプラスチックごみが、草原や森、湖や沼、海に廃棄されていますが、それによって動植物そしてあらゆる種類の生物の絶滅が続いています。

毎日、使うキッチンが、体内汚染や環境汚染の原因を作り出しているとしたら、本当に悲しいことですよね。

体の健康のため、また環境を汚染しないためにも、出来る限り「脱プラスチック・キッチン」を目指してください。そして自然素材の道具や鍋、食器が並ぶ「オーガニック・キッチン」で、健康と美しい地球環境を守っていきましょう。

「脱プラスチック」おすすめキッチングッズ
自然素材のクッキングシート、経木
今やキッチンで大活躍している食品用ラップも石油から作られた化学物質です。環境ホルモンになりうる成分が含まれているという報告もあります。今こそ見直したいのが、昔から日本で使われてきた経木。木をスライスしたもので、おにぎりやおかずを包んだり、載せたりして使われてきました。 今回は、こだわりの経木を紹介します。

キッチンの「脱プラスチック」にとって、大活躍してくれそうです。