家の中で農薬を撒いていませんか?

家の中で農薬を撒いていませんか?

夏になると、どうしても必要になってくるのが虫対策。家のなかでもアウトドアでも虫対策が欠かせなくなってきます。でも気になるのは、一般に出回っている殺虫剤。 スプレー式の殺虫剤がいろいろと出ていますが、これはじつは農薬!です。これまた石油から作られた化学成分です。虫を減らそうと家で頻繁に殺虫剤を使っていると、つまりは狭い場所で農薬を撒いていることになります。 虫が死んでしまうということは、考えてみれば、人体にとっても危険というのは当たり前。とくに赤ちゃんや子供のいる家で殺虫剤を撒いていると、アレルギーやぜんそくの原因となります。また農薬はうつ病を併発することもよく知られています。

殺虫剤が環境ホルモンになる?!

「でも蚊取り線香は昔ながらのものでしょう」、と思っている人も多いようですが、そうではありません。形は昔ながらのものですが、じつはしっかり合成成分の農薬が使われています(たしかに昔は、除虫菊から蚊取り線香が使われていましたが)。 今の殺虫剤が登場したのは、ほんの50年ほど前のこと。もともとは農薬であったものが家庭用に転用されるようになってしまったのです。やがてこれらの殺虫剤は、虫だけではなく、人のからだにとっても大きな害があることがわかってきたのです。 アメリカ環境保護庁(EPA)は、殺虫剤の多くが環境ホルモンになる可能性があることを発表しています。とにかく自分や家族の健康をおびやかしながら防虫対策というのはいただけませんね。

世界各地にある自然な虫除け対策見直す

ところでまだ化学成分などがなかった昔はどうしていたのでしょうか。家中、虫だらけでじっとがまんしていたのでしょうか。そういうわけではないようです。 じつは世界各地に植物を活用した、伝統的な虫対策があります。古代エジプトで使われていた香油は、ただ香りを楽しむだけではなく、虫除け防止や殺菌の目的がありました。また蚊除けとしてわさびの種子油が使われていました。 南米のアマゾンでは、コパイパの樹脂、東南アジアではレモングラスやペチパー、ヨーロッパでは、窓辺にゼラニウムなどの鉢を置いたりして、蚊や虫を避けていました。オーストラリアの先住民族は、ユーカリやティートリー、そして日本では、除虫菊からとった蚊取り線香が活躍していましたし、沖縄ではゲットウなども虫対策に使っていたそうです。 また衣類の虫除けには、楠(くすのき)からとった樟脳(しょうのう)などが使われていたことをまだ覚えている人も多いのではないでしょうか。青森では、ヒバで建てられた家には、蚊やシロアリが近寄らないと言われてきました。

虫が嫌う天然の香りを活用しましょう

そんなふうに、世界のどこでもその土地にある身近な植物を活用した防虫の知恵があったのです。植物の力を活用した防虫対策は人のからだにとっては不安がなく、かえって元気にしてくれるものもあります。たとえばエッセンシャルオイルを活用すると、スキンケアをしたりリラックスしたりしながら、防虫対策ができます。 防虫対策として、有効な精油を上げてみると、ゼラニウム油、やローズウッド油など、これは肌を活性化してくれます。そのほかユーカリ油、シトロネラ油なども防虫効果がありますが、これらは気分をリラックスさせてくれる精油です。昔の防虫対策は、虫を殺すのではなく、虫に避けてもらうという、とてもやさしい方法だったことも、オーガニックライフを愛する人にとっては心和みますね。