暑くなってくると、蚊、ハエ、ダニが気になってきます。でも、これらの虫を避けるために、一般的な防虫剤や殺虫剤を使用していませんか。
一方で天然成分を利用した虫除けがあります。化学薬品に頼らずに、からだに負担をかけないのが、植物を使った天然の虫除けです。この夏は、安心安全な虫除けで快適な毎日を過ごしませんか。
最近では、化学物質に反応して、頭痛やイライラ、アレルギーに悩まされている人が増えてきていますが、防虫剤や殺虫剤に含まれる薬品も、その原因の一つと言えるでしょう。
一般的な防虫剤、殺虫剤の原料は、農薬とよく似ています。石油から作られた強力な化学薬品を使用して、虫を殺傷しているのです。そうした防虫剤や殺虫剤は、虫だけでなく人の体にも有害です。 殺虫剤に含まれる合成の化学薬品は、呼吸器や、神経にも悪影響を与えます。また、薬品は少しずつ確実に体内に入り込んでいきます。その結果、慢性的なアレルギーや体調不良になってしまうのです。
日本の明治時代では、「白花虫除菊」という植物を原料とした、天然の蚊取り線香を使用していました。「白花除虫菊」には、ピレストリンという天然の除虫成分が含まれています。日本で初めて販売された渦巻き型の蚊取り線香は、白花除虫菊を練り込んで作られたものです。
ところが、戦争をきっかけに化学が盛んになり、白花除虫菊に含まれるピレストリンに近い化学構造を持つ、「ピレスロイド」という成分が石油から人工的に合成されるようになりました。その後、「ピレスロイド」を原料とした殺虫剤が販売されるようになりました。「ピレスロイド」は農薬の原料としても使われるようになりました。
現在では、スプレー式や、電気式など、様々なタイプの殺虫剤や防虫剤が販売されています。しかし、その多くに、合成成分の「ピレスロイド」が含まれています。「ピレスロイド」は農薬にも含まれている成分です。頻繁に部屋の中で使用していると、つまりは狭い場所で農薬を撒いていることになります。これでは、体調が悪くなっても無理はありません。
またアメリカ環境保護庁(EPA)は殺虫剤の多くが環境ホルモンになる可能性があることを発表しています。自分や家族の健康をおびやかしながら、防虫対策というのでは本末転倒ですね。
ところで、防虫剤と殺虫剤の違いについて考えたことがありますか? 防虫剤は、虫が嫌い、避ける成分ということです。一方で殺虫剤は、虫を殺して駆除する目的で使われます。殺虫成分が虫の神経に働きかけて神経伝達を阻害することにより、虫は死に至ります。
天然成分による虫除けは、虫を殺すのではなく、虫を寄せ付けなくする防虫タイプのものです。天然の虫除けには、精油を使ったものもあります。人にとっては心地良い香りなのですが、虫にとっては嫌な香りを利用したもの。
あんなに心地よいラベンダーの香りも、ほのかに甘いゼラニウムの香りも、虫は嫌いなようです。ほかに虫が嫌いな精油をあげると、ユーカリ、レモングラス、ペパーミントなどがあります。植物の香りに癒されながら虫除けができるのですから、ぜひ活用したいですね。
室内の狭い範囲で使う虫除けは、知らず知らずのうちに鼻やのどから吸い込んでしまいます。植物の香りを使った天然の虫除けなら、吸い込んでも問題はありません。香りをかぐことでリラックス効果ももたらします。
虫除けのできるアロマオイルを使って、簡単に手作りの虫除けスプレーを作ることができます。
虫除けスプレーを使う直前も振ってから使うことをおすすめします。
屋外のレジャーやガーデニングでは虫さされが気になります。持ち運びに便利な 天然の虫除けグッズを鞄に一つ入れておくと、いつでも安心安全な虫除けができますね。