バルサムは、最も古い歴史のあるスキンケア・アイテムですでに古代エジプト時代から使われていたものです。その後、ヨーロッパで、手作りコスメとして愛用されてきました。
ミツロウと植物オイルだけで作るシンプルな処方。クリーム状ですが、乳化剤を使っていないので、敏感肌におすすめの保湿ケア用品です。これに対して、クリームは、水分と油分を混ぜて作るので、乳化剤が必要になります。
一般的な市販のクリームは、乳化剤として合成界面活性剤が使われています。合成界面活性剤は、肌への浸透性が良く、また肌細胞を溶かしてしまう働きがあるので、使ううちに肌バリアがどんどん壊れていってしまいます。そのために塗れば塗るほど、乾燥肌になっていくという悪循環に陥ります。
また合成界面活性剤のほかに一時的ななめらかさを出す合成ポリマーも配合されており、これが肌の表面全体を覆って、皮膚呼吸を阻害し、肌を酸化させてしまいます。
一般的なクリームには、合成界面活性剤や合成ポリマーが使われているので、一時的な肌なじみはいいのですが、じょじょに肌の働きそのものを壊してしまいます。その結果、使えば使うほど乾燥がいっそうひどくなってしまいます。
オーガニックコスメでは、クリームは、レシチンや石けん乳化があります。こちらも肌なじみはよく、安全性が高いのですが、肌を乾燥から保護するという面からみれば、バルサムのほうが、よりガードが固くなります。
というのは、バルサムは、ミツロウが肌の表面に長く油分をとどめておく働きがあるからです。そのため、寒い季節には、しっかりと肌を外気の乾燥から守ってくれます。いわば、バルサムは、肌の表面を覆う天然ポリマーのようなものなのです。しかし合成ポリマーと異なり、皮膚呼吸を疎外したり、肌を酸化させてしまうことはありません。冬はむしろ、バルサムでしっかり肌を乾燥から守るのがおすすめです。
同じバルサムでも、とくに乾燥ケアに適しているものがあります。たとえばベースの植物オイルとして、マカセミアナッツ油、セサミ油(ゴマ油)、ローズヒップ油、アルガンオイルなどが使われているバルサムが、とくに保湿にすぐれています。 バルサムは、クリームに比べると固く感じられたり、べたつきがあるように感じられますが、じつはその分、肌を乾燥から守るという点ではすぐれているのです。使いこなせば、乾燥対策には心強いアイテムになります。またメイクの下地としてもすぐれものです。 乾燥の季節は、バルサムを使いこなして快適に過ごしませんか?