化粧品の合成成分 肌に安全なものを選ぶために、ポイントになる危険成分を知る

肌に安全なものを選ぶために、ポイントになる危険成分を知る化粧品の合成成分

コスメの原料はほとんどが石油から作られる

誰もが日常的に化粧品を使っています。洗顔用、化粧水、クリーム、そしてメイク用品など。

でも、化粧品に使われる成分のほとんどが石油からできたものだと知ったらどうでしょう? じつはこの70年ほど前から、化粧品の主成分は、石油から作られた化学成分に変わっているのです。

自然派、無添加とうたうコスメでさえ、化学成分にほんの少し天然成分を混ぜただけ、という製品も少なくないのです。もしくは天然成分100%と言いながら、植物を原料に化学的に合成された成分を使っている場合もあります。自然界にない不自然な合成成分は、私たちの肌にダメージを与え、肌から吸収されて身体全体の健康に害を及ぼすことを危惧する報告が出ています。

皮膚からも有害物質が吸収される

添加物や農薬を使った食品を食べたり、排気ガスなどで汚染された空気を吸い込むのと同じように、化粧品も皮膚から有害な物が吸収されます。口から入った有害物質は肝臓で解毒され、そのあとに排泄されるので体内にはそれほど残りません。しかし皮膚から吸収された化粧品の場合、有害物質は分解されずに体内にとどまってしまいます。

少し詳しく説明すると、有害物質は角質の下にある皮下組織に長い間とどまり、体外に排出されるまでに長い時間がかかります。普段は皮膚の角質部分が毒物を取り込まないためのバリアの役目を果たしていますが、ほとんどの化粧品に含まれる合成界面活性剤がこのバリアを徐々に破壊して、危険な成分を体内に入り込ませやすい肌へと変質させてしまうのです。 怖いのは、皮膚から取り込まれた化粧品の影響はすぐには症状が現れないということ。知らないうちに化学物質が蓄積され、何年か後にシミやくすみとなって出てくる恐れもあります。またアレルギーや病気の原因にもなります。

肌やからだの健康だけでなく、さまざまな環境への影響を考えても石油原料をはじめ、化学合成された成分はできるだけ避けたいものです。

成分の知識を学び
安心コスメを選ぶ

2001年に化粧品の全成分表示が始まりました。商品の全容が明らかになったのは喜ばしいことですが問題もあります。

以前は、アレルギーなどの問題がある成分として、国が「102種類の表示指定成分」を定め、ラベルに表示する義務がありました。

しかし全成分表示が始まると、聞き慣れない成分名がずらりと並ぶこととなり、ラベルを見てそれが安全なのか危険なのか見分けることはとても難しくなりました。 私たちに成分を読み解く力がなければ、イメージにつられて決して安全ではない商品を手にしてしまうことになります。「肌にやさしい」「うるおい」「しっとり」などの文句は、必ずしもそのコスメと一致するものではありません。安全性や効果は、配合成分が決めるものなのです。

わからないから難しそうだからとあきらめず、食べ物の農薬や添加物に気をつけるように、真に健康で美しい素肌を保つために、コスメ選びのポイントを勉強していきましょう。安全な化粧品を使う人が増えれば、それだけ環境を汚染する問題も少なくなります。

100%天然コスメを使って、素肌本来の輝きを取り戻す! 化粧品に使われている問題の化学成分をチェック!

あなたのコスメは大丈夫ですか?美しくなるための化粧品がシミや肌荒れの原因になっている……。

残念ですが、石油から作られた化学成分をほとんどの原料にしてできている現代コスメの現状です。

主な問題になっているのは、肌のバリアを壊す合成界面活性剤、環境ホルモンの疑いがある防腐剤、油やけで肌の老化を招く鉱物油、皮膚への影響がよくわかっていない合成ポリマー、アレルギーなどの原因となる赤色○号や黄色○号といったタール色素など。ここではとくに気をつけたい成分をピックアップしました。肌にとって安心できるコスメ選びに役立ててください。

避けたいチェック成分
合成界面活性剤 ラウレス―3
ラウリル硫酸Na
PEG―○○
合成防腐剤 パラベン(エチルパラベン、メチルパラベンなど)
フェノキシエタノール
安息香酸Na
鉱物油や合成の油性成分 ミネラルオイル
パラフィン
ベンジルアルコール
合成ポリマー ポリクオタニウムー6
ポリ酢酸ビニル
合成色素 青色○号
赤色○号
黄色○号
(○には数字が入ります)

~チェックしたいコスメの問題成分~

合成界面活性剤

合成界面活性剤は、本来、混ざらない水分と油分を混ぜ合わせるための成分です。

脂汚れを水に溶かす洗顔成分や、水と油を混ぜ合わせて作るクリームの乳化剤として使われます。合成界面活性剤は大切な皮膚のバリアを破壊し、肌を薄くして乾燥肌を招きます。

化粧品に「浸透」という言葉がよく使われますが、合成界面活性剤で皮膚のバリアを壊し、化粧品に使われる成分を皮膚の内部まで行き渡らせることを意味しています。

化粧品の中でもっとも多く使われる問題の成分です。

避けたいチェック成分
  • ラウレス―3
  • ラウリル硫酸Na
  • PEG―○○
合成防腐剤

ほとんどの化粧品に使われている合成防腐剤。

代表的なものはパラベンですが、アレルギーを起こす恐れのある成分で、またホルモンバランスを崩す環境ホルモンにもなる疑いがもたれています。パラベンは、国がアレルギー性があるとした「旧表示指定成分」に入っていました。

そのほかによく使われる合成防腐剤が、フェノキシエタノール。こちらは「旧表示指定成分」に入っていなかったため、無添加化粧品によく使われています。しかしパラベンと同様、アレルギー性や環境ホルモンの疑いがある成分です。

避けたいチェック成分
  • パラベン(エチルパラベン、メチルパラベンなど)
  • フェノキシエタノール
  • 安息香酸Na
鉱物油や合成の油性成分

化粧品は、洗浄用ケアやクリームなど、油をベースにしたものがほとんどですが、その油の多くに石油が使われています。 石油は、「鉱物油、ミネラルオイル、パラフィン」などと表記され、一般に価格は植物油の10分の1です。 そのほか石油から作られたベンジルアルコールや安息香酸アルキルなどの油性成分なども問題があります。これらの成分は、皮膚呼吸をとめ、肌のくすみやトラブルの原因になりがちです。 一方、植物オイルは肌にうるおいを与え、紫外線を柔らげる作用があります。

避けたいチェック成分
  • ミネラルオイル
  • パラフィン
  • ベンジルアルコール
合成ポリマー

クリームやファンデーションによく配合されている合成ポリマーは、ハリやツヤなど化粧品の効果があるように見せかける成分で、「被膜形成剤」とも言われています。合成ポリマーが配合されている化粧品をつけると、肌がつやつやし、ハリも出たように感じます。そのためエイジングコスメでは必ず使われています。 しかし合成ポリマーに覆われた素肌は、皮膚呼吸もできず、うるおいを保つのに必要な常在菌も死んでしまいます。 また常在菌は有害な菌を抑える働きもあり、合成ポリマーは肌荒れしやすい肌にしてしまいます。

避けたいチェック成分
  • ポリクオタニウムー6
  • ポリ酢酸ビニル
合成色素

口紅、アイライナー、アイシャドー、チークなど、メイクの魅力のひとつがその豊富な色彩を楽しめること。 しかし、その美しい色のほとんどは石油から生み出された合成のタール色素なのです。「○色○号」と色名と下に番号がついたものはすべてタール色素です。 タール色素は色の種類が豊富で、安定して変化しにくいため、現代のメイク用品では欠かせない素材になっています。 タール色素には発ガン性や奇形を引き起こす疑いがあるものが多くあります。 とくにリップメイクの色素は食事と関わるので要注意。

避けたいチェック成分
  • 青色○号
  • 赤色○号
  • 黄色○号
  • (○には数字が入ります)