農薬大国の日本 日本の食卓は、本当に安全?

農薬大国の日本
日本の食卓は、本当に安全?

世界でもっとも農薬を多く使っている国・・・それは日本です

アメリカやヨーロッパ、アジアの一部では、農薬の使用禁止に向けて市民団体が動き出し、それを受けて政府のほうでも農薬の使用を制限する法律を作ったり、スーパーでも販売禁止になったりしています。

現代農業は、農薬の大量散布が当たり前になっていますが、今、土壌、河川、飲料水の農薬汚染が世界中で深刻化しています。WHO(世界保健機構)の下にある医療機関は、2015年に世界で最も売れている除草剤「ラウンドアップ」に、がんのリスクがあることを発表しました。「ラウンドアップ」の主成分はグリホサート。世界はこのグリホサートの規制に向かって歩み出しています。

コロンビアグリホサートを主成分とする製品の散布を禁止
スリランカ深刻な腎障害を引き起こすとして輸入と販売、使用を禁止
オランダ、フランス、スイス、ドイツホームセンターでの販売禁止
EU、ベルギー、バミューダ諸島、バンクーバー、スウェーデン家庭での使用販売禁止
EU欧州議会2022年までに農業用の使用禁止を求める決議を採択
フランス2017年11月マクロン大統領は3年以内のグリホサート禁止の検討を指示(2019年1月、2021年までのグリホサート禁止は不可能と発表)
米カリフォルニア州2017年、発がん物質リストに掲載、警告表示を義務付け
ドイツGM作物の栽培禁止と、2023年末までにグリホサート禁止を決定
イタリア2016年 収穫前処理使用を禁止
インド2019年2月 パンジャブ州、ケララ州が禁止
ベトナム2019年3月 新規輸入の禁止
オーストラリア2019年10月 ラウンドアップを40年使ってきて非ホジキンリンパ腫を発症したとして損害賠償提訴
カナダ2019年10月 造園に使用したラウンドアップによりがんを発症したとし、損害賠償提訴
タイ2019年12月からグリホサート、パラコート、クロルピリホスの3農薬禁止を決定
オーストリア議会2019年7月 グリホサート全面禁止の法案可決
ルクセンブルグ2020年2月1日にグリホサートを含む製品の販売を禁止

こういった世界の取り組みの中、日本では、いっこうに農薬を規制する法案も提出されず、それどころか2017年12月に厚労省は、グリホサートの残留基準を大幅に緩和しました。小麦は6倍、そば、ライ麦は150倍という大幅な緩和です。

何故そのようになったのか。米国では収穫と乾燥を容易にするために収穫直前にラウンドアップを散布して枯らす収穫前処理(プレハーベスト)が行われるようになったからです。収穫直前の散布は、残留量を大幅に増やします。安全性より効率重視の大規模農薬のやり方です。

米国産の農作物に頼る以上、グリホサートの残留は認めざるを得ないというのが政府の立場なのです。

輸入小麦にも気をつけて!

世界でグリホサート使用に反対する動きが高まっているとはいえ、グリホサートまだまだ多くの国、特に北米、オーストラリアなどの大規模農家で使用され続けています。

その中でも特に気をつけたいのが輸入小麦です。

日本の小麦自給率は約14%(2020年)。ほとんどが輸入です。おもな輸入先は、アメリカ(49%)カナダ(34%)オーストラリア(17%)です。2018年の調査では、米国産とカナダ産の小麦のグリホサート検出率は、98~100%。オーストラリア産で45.5%です。これは、収穫直前の行われるプレハーベストが原因です。

パスタ、うどんなどの麺類、パン類、菓子類など小麦を使った食品は数多くありますが、そのほとんどが輸入小麦を使用しているためグリホサートの残留が懸念されます。

最近では、国産小麦使用の食品もよく見かけるようになりました。国産小麦がすべて安全というわけではありませんが、少し価格が高くても、国産有機小麦を使った食品を選んで購入することをおすすめします。

購入する人が増えれば、有機小麦を栽培する農家も増えていくはずです。

オーガニック食品は、デトックス力が高い

今後も日本ではますます農薬の害が深刻化していきそうですが、ではいったいどうやって健康を守っていけばいいのでしょうか?

そんな中にあって、ひとつ注目したい情報があります。

オーガニック食品は、体内に蓄積した農薬を排出する力があるようだという報告が出ているのです。

価格が高めのオーガニック食品の場合、毎日は無理かもしれませんが、少しでも摂ることによって、農薬の害を軽減できるわけです。まさにオーガニックな食事は、効果的なデトックス方法なのです。

それにしてもまだ農薬などが無かった時代、すべてがオーガニックでした。当たり前すぎて、オーガニックという言葉もありませんでした。

近年になって登場した農薬は、簡単に除草ができる、虫の害を防いで見た目がきれいな野菜や果実ができるなど、科学が生み出した便利なものとして重宝されてきました。

しかし改めて科学の進歩と言われているものが、私たちの健康を脅かすものになっていないのかどうかを一人一人の消費者がしっかりと見極めることが求められています。

今や世界中が、農薬の害に対して厳しい目を向け始めている背景には、かなり以前から人々がオーガニック食品に高い関心を抱き続けてきたことがあります。

日本だけが逆行しているのは、やはり消費者の関心の薄さにあるのではと思います。

一人一人の消費者の意識が高くなることで、オーガニック食品を購入する度合いも多くなり、有機農家を応援し、環境も守ることができます。それによって、国としても新たな規制を作らざるを得なくなることでしょう。

「オーガニック生活便」おすすめ

「オーガニック生活便」では、安心安全なオーガニック食品を厳選して取り扱っています。