自然エネルギー&オーガニック先進国 part1

川沿いの城

国民投票で「原発NO」を決めた国、
オーガニック農地の割合はヨーロッパNO.1

「ウィーンの森」や「美しく青きドナウ」など、豊かな自然と芸術の国オーストリア。
じつは、ヨーロッパで一番の有機農地の割合が多いオーガニック先進国です。
また早くも1978年、オーストリアは国民投票によって「原発NO」という選択をしました。
アイシス編集部は、「自然エネルギーとオーガニックの最先進国」、オーストリアを取材しました。

EUで一番の オーガニック先進国

ツヴェンテンドルフ原発 「オーストリアには、一度も核燃料を入れたことのない原子力発電所があります。1978年に国民投票で原発エネルギーを使わないことが決められたからです。今、その原発は、反原発のシンボルのようなものになろうとしています」。 そんな話をしてくれたのは、在日オーストリア大使館商務部のルイジ・フィノキアーロさんだ。

2011年3月に東北大震災があった翌年の年末でのことだった。 ヨーロッパの真ん中に、きっぱりと原発を使わないと決めた国があった! という話に強く心動かされた。廃墟となった原子力発電所をぜひ見たいと思った。

オーストリアは、ヨーロッパのほぼ中央に位置し、首都ウィーンは、かつてモーツァルトやベートーべンが活躍し、華やかな芸術の都として知られている。 そんなふうに歴史ある文化を誇る国でありながら、アルプス山脈から伸びる美しい自然に恵まれた国でもある。

そしてじつはオーストリアの有機農地の割合はヨーロッパ一。それに加えて「原発NO」という選択をしているというのだ。

ヨーロッパでオーガニックな国というと、日本ではドイツやスウェーデンというイメージが定着している。だが、それらの国に原発があること(ドイツ17基、スウェーデン8基)を考えると、オーストリアこそ本物のオーガニック最先進国というべきではないか。

それから8ヵ月後の夏、アイシス編集部は、オーストリアの取材へと出発。同行者は、中村実代さん。12年間、日本で、ドイツ発祥の国際オーガニック見本市「BIO FACH」の東京事務局を主催してきた人だ。現在は、日本と世界を結ぶオーガニックサイト「GON(グローバル・オーガニック・ネットワーク)」を運営している。(→http://organicnetwork.jp

静かな村に眠る ツヴェンテンドルフ原発

ツヴェンテンドルフ街並み
その日、ウィーンから地下鉄とバスを乗り継いで1時間ほど、朝8時30分にツヴェンテンドルフ市に着いた。首都から北西50キロメートルの位置にある小さな町だ。

バス停を降りると、ビルや商店街など皆無の、ひっそりと静かな住宅街が続いていた。その背後には麦や蕎麦、野菜畑が広がっている。ここに30年以上前に建設されたものの一度も稼動することなく「警告の碑」となった原子力発電所があると思うと、胸が高鳴った。



川沿いの城

国民投票で「原発NO」を決めた国、
オーガニック農地の割合はヨーロッパNO.1

「ウィーンの森」や「美しく青きドナウ」など、豊かな自然と芸術の国オーストリア。
じつは、ヨーロッパで一番の有機農地の割合が多いオーガニック先進国です。
また早くも1978年、オーストリアは国民投票によって「原発NO」という選択をしました。
アイシス編集部は、「自然エネルギーとオーガニックの最先進国」、オーストリアを取材しました。

EUで一番の オーガニック先進国

ツヴェンテンドルフ原発 「オーストリアには、一度も核燃料を入れたことのない原子力発電所があります。1978年に国民投票で原発エネルギーを使わないことが決められたからです。今、その原発は、反原発のシンボルのようなものになろうとしています」。 そんな話をしてくれたのは、在日オーストリア大使館商務部のルイジ・フィノキアーロさんだ。

2011年3月に東北大震災があった翌年の年末でのことだった。 ヨーロッパの真ん中に、きっぱりと原発を使わないと決めた国があった! という話に強く心動かされた。廃墟となった原子力発電所をぜひ見たいと思った。

オーストリアは、ヨーロッパのほぼ中央に位置し、首都ウィーンは、かつてモーツァルトやベートーべンが活躍し、華やかな芸術の都として知られている。 そんなふうに歴史ある文化を誇る国でありながら、アルプス山脈から伸びる美しい自然に恵まれた国でもある。

そしてじつはオーストリアの有機農地の割合はヨーロッパ一。それに加えて「原発NO」という選択をしているというのだ。

ヨーロッパでオーガニックな国というと、日本ではドイツやスウェーデンというイメージが定着している。だが、それらの国に原発があること(ドイツ17基、スウェーデン8基)を考えると、オーストリアこそ本物のオーガニック最先進国というべきではないか。

それから8ヵ月後の夏、アイシス編集部は、オーストリアの取材へと出発。同行者は、中村実代さん。12年間、日本で、ドイツ発祥の国際オーガニック見本市「BIO FACH」の東京事務局を主催してきた人だ。現在は、日本と世界を結ぶオーガニックサイト「GON(グローバル・オーガニック・ネットワーク)」を運営している。(→http://organicnetwork.jp

静かな村に眠る ツヴェンテンドルフ原発

ツヴェンテンドルフ街並み その日、ウィーンから地下鉄とバスを乗り継いで1時間ほど、朝8時30分にツヴェンテンドルフ市に着いた。首都から北西50キロメートルの位置にある小さな町だ。

バス停を降りると、ビルや商店街など皆無の、ひっそりと静かな住宅街が続いていた。その背後には麦や蕎麦、野菜畑が広がっている。ここに30年以上前に建設されたものの一度も稼動することなく「警告の碑」となった原子力発電所があると思うと、胸が高鳴った。