オーガニック植物は、体を整えてくれる成分が豊富

有機栽培植物はファイトケミカルが豊富

もともと植物は、自分で動くことができないので、虫や細菌、カビ、紫外線など様々な外敵から身を守るために、ファイトケミカル（phytochemical）という成分を作り出して身を守っています。

植物の中には、独特の香りや、苦み、辛味を持つもの、アクの強いもの、ねばねばしているものがあります。また色もグリーンだけではなく、赤や黄、紫など独特の色合いを持つものもあります。植物の香りや色のほとんどが、植物が身を守るために作り出しているファイトケミカルです。

このファイトケミカルは、人間にとっては抗酸化作用や免疫力、体の機能を高める効果のある成分です。

ファイトケミカルは、まさに自然の恵みなのです。

しかし農薬を使って見栄えよく育てられた野菜は、ファイトケミカルという人間の健康にとって重要な成分が極端に少ないのです。

農薬や除草剤、殺虫剤などを使って育てられた植物は、外敵から防御する必要が少ないために、ファイトケミカルという成分を作り出す必要がないからです。

つまり野生や無農薬栽培の植物は、外敵から防御するために自らが作り出したファイトケミカルを豊富に含んでいます。そんなことからもオーガニック植物が私たちにとって価値あるものであることがわかります。

サプリメントよりも、ファイトケミカル食品で健康を保つ

サプリメントに頼らなくても、植物のファイトケミカルについて知って食事に摂り入れれば、体調を良好に保つことができます。それぞれの植物は、抗酸化作用や整腸作用など、様々なファイトケミカルを持っています。たとえば胃の調子が悪いとき、キャベツを食べると良いと言われていますが、それは「スルフォラファン」というファイトケミカルが含まれているからです。「スルフォラファン」には、解毒作用があり、腸を整える働きがあります。

また疲れ目に効くのがブルーベリーなどに含まれる紫色の「アントシアニン」。「アントシアニン」は高い抗酸化作用があり、ナス、ブドウ、イチゴ、赤紫蘇などにも含まれています。

もちろんオーガニック栽培であれば、より多くのファイトケミカルが含まれています。

様々なファイトケミカルの種類

イソフラボン
女性ホルモンに似た構造で植物性エストロゲンといわれる

大豆（豆腐、納豆、みそ、おから、きなこなど）に含まれる
カテキン
血糖値を抑える、抗菌作用、抗酸化作用を持つ

緑茶、紅茶などに含まれる
アリシン
血液をサラサラにする効果、　強い抗酸化作用、抗菌作用、疲労回復

ニンニク、玉ねぎ、ニラなどに含まれる
イヌリン
整腸作用、糖質・脂質の吸収、血糖値の上昇を抑える作用

ゴボウ、チコリ、タマネギなどに含まれる

オーガニック野菜や果物にはガン予防のファイトケミカルが！

ファイトケミカルの中でも、近年、注目されているのがサルベストロールです。

オーガニックで育てられた野菜や果物の皮には、よく黒い斑点が見られます。例えば無農薬のみかんの皮には、黒い斑点がありますよね。これもサルベストロールです。サルベストロールは野菜・果物の皮や中皮、種、根などの多く含まれています。

近年、増え続けているガン。

ガン細胞には「CYP１B１」という酵素が多量に発生しますが、サルベストロールが「CYP１B１」酵素に働きかけガン細胞を死滅させる成分に変化することがイギリスで報告されています。

しかし農薬を使用した農作物は、真菌の危機にさらされないためサルベストロールの含有量が激減しています。農薬などを使わず、野生や自然栽培の農作物を食べていた時代、人は自然と野菜や果物からサルベストロールを取り入れ、ガンを防いでいたということを意味します。したがって野生の動物は、ガンになりにくいというわけです。人と同じ生活をするペットにガンが増えている理由もここにあります。

健康を守るためのオーガニック

スーパーに並べられている野菜や果物は、ピカピカで虫食いの跡もなくきれいです。そして独特の青臭さや香りもなく、苦みや辛味もなく、アクやえぐみもなく、甘くて食べやすいものへと変わってきていますが、そこには人の健康、免疫力アップに役立つ成分をわざわざ壊してしまっているという問題が見えてきます。

今の時代、毎日食べる野菜をすべて無農薬のオーガニック野菜に変えることは難しいかもしれませんが、なるべくオーガニック野菜を選んで、自然の恵みを享受し、健康な暮らしを送りましょう！

ヨーロッパの中でも特にオーストリアでは積極的にオーガニックが奨励されていますが、医療費を減らすという目的もあるそうです。

オーガニック野菜を使うことは、良心的な有機農家を応援し、自分の健康を守り、環境を保全することにもつながります。