本物のローズの香りは幸せホルモン

本物のローズの香りは幸せホルモン

女性がもっとも好む香りといえば、やはりローズ。

そのため、化粧品や入浴剤、芳香剤の香り、柔軟剤などにもローズの香りがあらゆる製品に配合されています。残念ながらほとんどのローズの香りは、合成香料のローズの香りで、本当のローズの香りではありません。

もし天然香料のローズを使うとしたら、とても高いものになってしまうからです。

とはいえ天然の香りといっても、花屋さんのローズは、長い時間をかけて品種改良を重ねた「ハイブリッドローズ」。花の見た目の美しさを追及したため、香りが薄れてしまったものも少なくなく、これまた本来のローズの香りとは少しかけ離れています。

「オールドローズ」の香りは、生きる喜びを思い出させる

本来の香りを失った「ハイブリットローズ」に対して、本物のローズの香りを放つのは、古代から栽培されてきた原種に近い品種が「オールドローズ」です。

多くの「オールドローズ」が持つ甘く品のある香りは、思わず微笑んでしまうほど、うっとりと心をなごませてくれます。それこそが本来のバラの香りです。

近年、このオールドローズの香りは、脳内ホルモンのオキシトシンの分泌を促してくれることが報告されています。オキシトシンは「幸せホルモン」とも言われ、自律神経のバランスを整えたり、ストレスを緩和したり、気持ちをポジティブにする働きがあります。 気分が沈んでいる時でも、ローズの香りは心に覆う暗い雲を吹き払い、いつしか若々しい華やかな気持ちへと誘い、生きる喜びを与えてくれるのです。

ローズの幸せな香りが、肌の輝きになる

合成香料のローズの香りは、単一の化学物質ですが、本物のローズの香りは、現在わかっている成分だけでも約600種類以上。シトロネロールやゲラニオール、ネラール、フェネチルアルコールなどが主な成分ですが、とくにゲラニオールは、「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌を促してくれることがわかっています。

ゲラニオールは、更年期障害、生理不順、月経前症候群といった女性ホルモンの乱れからくる不調を和らげてくれるという報告も出ています。ローズは女性の強い味方なのです。

調和がとれた幸せな気分は体調も良くするので、それが肌の美しさとなってあらわれます。ローズの香りをかぐだけで、幸せな気分にさせてくれるだけでなく、さらに肌バリアの老化を抑え、ハリと艶まで与えてくれます。

眠れないときには、ローズの香りを

ローズの香りは、不安やストレスを和らげるリラックス作用が知られています。

とくにローズの主な香り成分である「フェネチルアルコール」には、強い抗不安作用が確認されており、不安からくる不眠にも効果的と言われています。

眠れないと悩んでいるときには、本物のローズの精油を配合したオイルでマッサージをしたり、薔薇の香りのお風呂にゆったりとつかることをおすすめします。

不思議なことにローズの香りは、リラックス効果があるいっぽうで、認知症などによる記憶障害に対して、覚醒作用を強めて記憶力を高めてくれる働きもあることも発見されています。

ローズの香りは心のバランスをとり、その人にとってより良い精神状態へと導いてくれるのです。

最高級の香り「ダマスクローズ」

オールドローズの中でも、最も香り高いことで知られ、甘く優雅でうっとりするような香りを放つのが「ダマスクローズ」です。

世界的に有名なブランドの香水は、ほとんどが合成香料のブレンドですが、それでも唯一天然香料として、わずかに「ダマスクローズ」が使われることがよくあります。

「ダマスクローズ」の香りだけは、どんな合成香料をも上回る香りなので、ほんの少し加えることで、ブレンドに優雅さが生まれるのです。そのため「ダマスクローズなくして、香水の名品は生まれない」という言葉があるほどです。

「ダマスクローズ」は、太陽がのぼるにつれ花の香りが弱まってしまうため、早朝に手摘みで収穫し、すぐに蒸留所に運びます。1滴の精油を作るのに、約70輪もの花が必要になることから、昔から金と同程度と言われるほど高価で希少なものでした。 ローズの季節、オールドローズの香りと仲良くおつきあいして、もっと幸せな毎日を過ごしましょう!