環境にやさしいものは人にもやさしいという
シンプルな真実

野山

環境と私たちのからだはひとつにつながっています

手と肌

環境にやさしいけれど、自分の素肌にやさしくない化粧品なら使いたくない」と言う人がいます。自分を犠牲にしてまで環境のことなんか考えたくないというわけです。でも真実はとてもシンプルで、環境と私たちのからだはひとつにつながっています。環境にやさしいものは、じつは自分の素肌やからだにとってもやさしいものなのです。

反対に言うと、環境に悪いものは、私たちのからだとっても害になるのです。たとえば顔を洗う石けんですが、これは5000年以上も前から使われてきた天然の界面活性剤が洗浄成分になっており、私たちの素肌にやさしく、川などに排水されてもすぐに分解されてしまいます。しかし今、多くの洗顔用の化粧品には、合成界面活性剤が使われており、これが素肌のバリア機能を壊してしまいます。さらに水の中でも容易に分解しないので、洗顔するたびに川を汚染することになります。

大量生産を可能にした石油製品の日常品

プラスチック製品

合成界面活性剤だけではなく、私たちの生活のあらゆるところに今や、石油から合成された製品があふれています。それらは食品添加物として、化粧品、化学繊維の衣服、バッグ、プラスチックの食器や容器、家具、建材、防虫剤、靴クリームなど、本当にびっくりするほど石油が原料になっているのです。

もちろん農薬もそうです。石油は原料として安く、その上腐らないので、遠く離れた場所まで運ぶことができるようになり、大量生産を可能にしました。

その結果、何千年かけて作ってきた日常品の多くが、石油製品に変わってしまったのです。また石油製品よって色や形のバリエーションが豊富になったため、しだいに素材のことは問わず、物を買うときの動機は、ただデザインやムードを追う「流行」によって大きく左右されるようになってしまいました。

しかし今、石油から作り出した化学物質が原因と思われるアレルギーやアトピーが増えています。これ以上、土に還らないものを作り続ければ、私たちが住んでいる環境が取り返しのつかないほど破壊されることが危惧されています。

自然のルールと調和するオーガニックライフ

紅皿

昔の人は、衣食住の必要なものを作るとき、自然の中からからだにいいものを選んできました。たとえば紅花の口紅ですが、それはただ唇を美しく見せるだけではなく、からだが冷えやすい女性を守ってくれるものでした。

今、私たちはもう一度、こうした昔ながらの知恵が活かされた自然素材の日常品を見直す必要がありそうです。すべてを一度に変えることができなくても、衣食住の少しずつでも使うものを自然の素材へと変えていけば、それだけ環境汚染によるからだへの負担を軽くすることができます。

また自然素材のものは、環境の中で自然に分解されて土に還っていきますし、それを買うことによって安心なものを作っている人と、その仕事を応援することにもなるのです。

私たちも自然の一部。その明らかな真実を受け止めるとき、より健康で美しく生きたいと望むなら、自然のルールを知り、その流れと調和して生きることが大切だと見えてくるはずです。

つまり、オーガニックライフとは、もう一度、すべてが循環していくことができる生活を作っていくことではないでしょうか。