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読み物


特集|化粧品の原料の歴史

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石油原料と化粧成分

3.石油原料と化粧成分

生活のあらゆる分野にある石油製品

17世紀ころに登場した自然と切り離された科学万能主義は、19世紀後半から20世紀になると、世界的な規模の大量生産時代を招来しました。大量生産をするために、もっとも安価で効率のいい原料として選ばれたのが石油でした。
19世紀後年に、アメリカで次々と油田が発見され、まず石油は灯油として使われ始めました。
その後、ドイツで車が発明され、車の燃料として大量の石油が使われるようになると、石油の生産と精製は、巨大な国際ビジネスへと発展するきざしを見せ始めました。
19世紀後半、アメリカで油田開発が始まって以来、石油は現代生活のあらゆる分野で使われるようになりました。そして今、私たちの身の回りのものを見回してみると、テレビ、壁紙、車の塗装や車内、衣料品など、驚くほどの石油製品に囲まれて過ごしています。そのほか農薬や化学肥料、医療品、そして、今の化粧品もまた、その主な原料が石油になっています。

ところで原油を直に見たことはありますか?

ガソリンや軽油、灯油といったガソリンスタンドで見かける石油製品は、透き通った色をしています。アスファルトに混ぜて使われているコールタールは、黒くてどろりとした液体です。これらはもともと原油というひとつの液体の中に、混ざり合っていたものです。精製する前の原油は、粘り気がある黒い液体です。
原油産出国からタンカーで送り届けられた原油は、1958年、日本で最初に完成した石油化学コンビナートである山口県岩国や愛媛県新居浜で見かけられるような石油化学コンビナートに水揚げされます。この原油を精製して、ガソリンや軽油などに精製します。

日本の原油の輸入量は2.3億立方メートル(2008年度)です。この量は、黒部ダムの貯水量、約2億立方メートルに匹敵します。日本が原油を輸入している国は、中東(87%)、東南アジア(5%)、オーストラリア(1%)となっています。
毎年、これほど多くの石油が燃料となり、その他の日常品となっていきます。環境中に多くの石油製品が散乱し、そして、川や海に流れていきます。石油はCO2を増やす大きな原因となり、その合成品が環境汚染の原因となっています。そのことを考えると、今一度、石油を大量に使う現代生活を見直す必要があります。

化粧品に使われるナフサとは

石油精製の工程を簡単に言うと、原油を熱して、温度を上げて蒸留します。特定の温度域において取り出せる成分が決まっており、この工程を分留といいます。
石油は蒸留すると、軽いものから順にガス、ガソリン、ナフサ、軽油、灯油、重油に分れます。そのうち、ナフサはさらに7つに分けることができ、日常生活で使っているものの製造に深くかかわる、化学物質が得られますが、そこから化粧品の原料も多く作られています。化粧品をはじめ、家庭で使う洗剤や、化学肥料、塗料、香料、レンズなどあらゆるプラスチック製品がナフサを元に作られます。

輸入した原油の18%がナフサとして取り出されます。分留で取り出したナフサは、熱分解によってエチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、ベンゼン、トルエン、キシレンが取り分けられることになります。ナフサを除いたほかの成分については、火力発電に使われたり、自動車、暖房など燃料として使われます。

さらに日本では、ナフサの需要はこれだけでは足りず、さらに海外から輸入した石油原料の約50%にあたるナフサを輸入しています。ナフサから作られた製品は、燃えないゴミとなります。また毒性の高いダイオキシンの発生源のほとんどが石油製品です。さらに石油は、強酸性の硝酸や硫酸になる窒素酸化物(NOx)やイオウ酸化物(SOx)が含まれており、これらが雨に溶けて酸性雨となります。そのように考えると、化粧品はもちろんのこと、そのほかの石油から作られる合成品が、環境に大きな負担をかけていることが見えてきます。