化学物質が素肌と体を酸化(老化)させる

夏の疲れを癒す  オーガニック入浴剤でゆったりバスタイム

気をつけて!! 食品添加物

家の中は本当に安全? 化学物質だらけのハウスケア

オーガニックライフのための基礎知識

ハーブ物語

カテゴリ別 人気アイテムから探す

アイシス基準と関連サイト

オーガニックコスメの認証

4.オーガニックコスメの認証

環境先進国ドイツで始まった自然化粧品の認証基準

環境先進国ドイツでは今、数々の自然化粧品メーカーが世界から脚光を浴びるようになってきています。1996年、これらの自然化粧品メーカー16社が、「BDIH」(ドイツ医薬品、化粧品商工企業連盟)の自然化粧品の基準作りに乗り出したのです。
そしていよいよ2001年から「BDIH」の自然化粧品の認証制度がスタートしました。

2007年、7月、日本の環境NGOの一員としてアイシス編集部の水上は、ドイツのビジネス都市マンハイムにあるBDIH本部を訪れました。「BDIH」の会長によると、「『BDIH』の基準は今ではドイツだけではなく、ヨーロッパやアメリカでも知られるようになっています」とのことでした。

彼のインタビューの中でとくに印象に残ったのが次の言葉でした。

「BDIHの基準は、自然化粧品の認定であり、オーガニック認定ではありません。ドイツではナチュラルコスメという言葉はよく聞きますが、オーガニックコスメという言葉は聞いたことがありませんね」。
そのときはすでに日本ではオーガニックコスメが、新聞や雑誌で取り上げられるようになっていたので、それは小さな日本だけのことなのかと拍子抜けしたように感じました。
「BDIH」の自然化粧品の認証では、消費者は一切の合成成分を認めてないと考えがちですが、そうではありません。「安息香酸と及びその塩類」、「ソルビン酸と及びその塩類」、「サルチル酸と及びその塩類」「ベンジルアルコール」など、石油由来の合成防腐剤や、そのほかの合成成分の使用は認められています。

化粧品のオーガニック認証の問題点

「BDIH」は、自然化粧品についての基準を打ち出しましたが、オーガニックについてはとくに基準は設けていません。これに対して、化粧品のオーガニック基準を定めているのが「ECOCERT(エコサート)」です。
「ECOCERT」は、1991年にフランスで設立されました。
「ECOCERT」の認証制度は、もともと農産物の認証から始まりましたが、加工食品やオーガニックコットン、そして最近になってコスメへと、その認証製品の分野を広げていっています。

「ECOCERT」の化粧品のオーガニック基準は次のようなものです。
「エココスメは、植物性成分の50%が認証された有機農法由来であること。より厳しい条件を満足しているビオコスメについては、植物成分95%が有機農法由来であること」としています。しかし気になることは、化粧品全体の5%は、化学原料でいいとしていることです。たとえば石油由来の合成防腐剤は、通常、1%も配合すれば、効力を発揮しますので、オーガニック化粧品の認証を受けながらも、通常の化粧品と変わらぬ合成防腐剤の使用が認められているわけです。

オーガニック認証を受けた化粧品は、合成成分が一切使われていないと考えられがちですが、決してそうではないことを消費者は知っておくべきでしょう。
また5%の化学原料の配合は、かなり少量のように感じますが、化学成分はほんのわずかな量でも、肌に対してアレルギー性があることは心得ておくべきでしょう。

新たに動き出したオーガニックコスメの統一基準

2008年、新たなコスメの基準を作ろうという動きが出てきました。
ベルギーに本部をおく「NaTrue(ネイトルー)」です。この団体の主体を担っているのは、「BDIH」の自然化粧品の基準作りにも参加した経験を持つドイツの自然化粧品メーカーです。
「NaTrue」のホームページを見ると、その目的を「自然化粧品とオーガニックコスメを推進していくこと」をうたっています。
「NaTrue」は、EU本部があるベルギーのブリュッセルに本部をおくことによって、自然化粧品とオーガニックコスメの統一基準を作ろうという意気込みをうかがわせています。
「NaTrue」では、オーガニック原料については、クリームやローションなどのアイテム別に水分何%、天然由来成分何%と定めた上で、次のような「星マーク」制度を採用しています。

  1. ★(ひとつ星) オーガニック成分70%未満
  2. ★★(二つ星) オーガニック成分70%以上95%未満
  3. ★★★(三つ星)オーガニック成分95%以上

「NaTrue」でも、使用していい合成成分については、独自のポジティブリストを作り、その配合比を定めています。ですからオーガニックコスメの認証をとっていても、合成成分をまったく使っていない化粧品というわけではありません。

認証コスメは合成成分ゼロというわけではない

これまで述べてきた化粧品認証のほかにも、「ビオマーク」(フランス)、「英国土壌協会」(イギリス)、「ACO」(オーストラリア)など現在、各国でさまざまな団体が化粧品認定を始めています。繰り返しになりますが、「認証マークがついている化粧品には合成成分が入っていない」と考える人も多いですが、必ずしもそうではないことを消費者は知っておくべきでしょう。

今、いろいろな団体による化粧品の認証が出てきていますが、安全性の高い化粧品を普及していくという点においては、多いに評価されるべきことでしょう。とはいえ自然化粧品やオーガニックコスメの認証基準は、どこまで消費者側に立っているのか?今の製造技術の限界に妥協する形で作られることはないのか?という懸念もないわけではありません。
ぜひ環境を守り、消費者側にたつという方向で討議を重ねながら、本当に安全性の高い化粧品に向かって、基準を進化させていってほしいものです。