他人事ではありません! 「いい香り」がブームですが、その裏で、 「香害」に悩む人が増えています

他人事ではありません!
「いい香り」がブームですが、その裏で、「香害」に悩む人が増えています

「いい香り」の商品の広告が、毎日テレビから流れています。 ドラッグストアでも、衣類に香りをつける柔軟剤や香りつけビーズなどが色とりどりに並んでいます。

その一方で、「香り」が原因で、頭痛や吐き気に襲われ、社会生活がままならない人が増えています。

ある人にとっては、「いい香り」と感じていたものが、他の人にとっては不快なものだったり、耐えられないほどの苦痛であったりします。

市販の洗剤や柔軟剤そして芳香剤の「香り」の多くは、有害な化学物質が使われています。

柔軟剤の香りから増え始めた「香害」問題

ここ10年くらいの間に、「いい香り」を強調する柔軟剤や洗剤、また部屋用の消臭芳香剤のCMをよく見かけるようになりました。それとともに、「香害」の問題が浮上してきています。

香りを吸い込むことによる体調不良は、吐き気、脱力感、のどの腫れ、顔の筋肉のこわばりなどの症状になって現れます。

「香害」の問題は、自分が使用をやめればいいというものではありません。電車などで隣合わせた人の洋服からの匂い、隣のベランダに干してある洗濯物の匂いなどでも、体調不良になってしまいます。また、大人だけでなく子供も同じで、保育園や幼稚園、学校などでも、同じ部屋にいる子の洋服や持ち物が放つ柔軟剤の匂いが原因で登園、登校できない子供も増えてきています。

このようにいったん「香害」の症状が出ると、普通に日常生活を送ることも困難になります。

「香害」は個人の問題ではなく社会全体で考えなければならない問題なのです。

多くの「香料」の成分は化学物質です

何故このようなことが起こっているのでしょう?

柔軟剤や消臭剤、芳香剤などに含まれる香料は、ほとんどが人工の揮発性化学物質です。原料は主に石油で、4,000以上の種類があり、メーカーで何種類かをブレンドして、様々な香りを作り出しています。ただしその成分は詳細を記す必要はなく、「香料」と表示すればいいことになっています。

また、香りを長続きさせるために開発された、マイクロカプセル技術も「香害」の大きな問題の1つです。

マイクロカプセルは、目に見えないほど小さなプラスチックのカプセルの中に香料を閉じ込め、熱や摩擦によってカプセルの膜が破裂することで、少しずつ香料を放出する技術です。膜が破裂するまで香料が揮発せず、化学変化も起こさないため、香りが何日も、場合によっては何か月も長続きするのです。

このマイクロカプセルが登場し、普及していくにつれ「香害」の問題が深刻化しはじめます。

香りを放出するマイクロカプセルも環境汚染の要因に

香りを包んだマイクロカプセルは、メラミン樹脂やホルムアルデヒド樹脂、ウレタン樹脂、ポリイソシアネートモノマーなどのプラスチックでできています。

香りを放出した後、これらの微小なプラスチックが空気中に放出されます。放出されたプラスチックは、香りとともに人間の体内に取り込まれ、喘息や気管支炎などを引き起こす要因にもなりかねません。

また洗濯するたびに下水から河川、海へと流され環境汚染の要因として問題になっています。EUではすでに規制の話が出ています。

消臭除菌スプレーも要注意

テレビで毎日のように流れる消臭除菌スプレーも化学物質です。広告では、玄関から、じゅうたん、カーペット、ソファー、カーテンなどなど、どこにでもスプレーを吹きかけています。最近では、コロナウィルスの除菌のためといって着ている洋服にまでかけることが推奨されています。

その除菌成分は「クウォット(QUAT)」。「4級アンモニウム化合物」の英語名の略称ですが、化学物質で危険性が指摘されています。無臭のものもありますが、ほとんどは合成香料の香りつきです。いくら除菌ができたとしても、これらは使えば使うほど健康を害するものだという認識を持ちましょう。

「香害」で引き起こされる不調の行きつく先は、「化学物質過敏症」です。

他人事のように思っているかもしれませんが、化学物質がまん延している社会で、「化学物質過敏症」はいつ誰が発症してもおかしくはありません。

自然の香料を使いましょう

オーガニックコスメやオーガニックの洗剤に使われている香りについて香りが薄い、香りが一定しないという声をよく聞きます。それは、合成香料に鼻が慣れてしまっているためです。合成香料は、いつまでたっても香りが消えませんし、いつ使っても同じ香りです。

一方、オーガニックコスメの香りは植物から得られる精油です。本物の香りは、花の香りをかいだ時と同じで、しだいに香りの感覚は薄れていくものです。また香りは一定ではなく、季節や気候、栽培場所などによって変化します。

合成香料から離れて暮らすようになると、だんだんと鼻の機能が正常に戻り、自然の精油の香りが心地よく感じられるようになります。生活の中に天然の香りを取り入れましょう。

「オーガニック生活便」では、化粧品から洗剤、ハミガキに至るまですべて合成香料ではなく、天然香料を使った製品のみを取り扱っています。

植物から得られる天然の香り(精油)には、人の心と体の調和をとり、健康へと導く働きがあります。

例えばリラックスしたいときにはラベンダー、のどや鼻の調子を整えたいときにはユーカリ、心を明るくしたいときにはローズやメリッサなどなど。天然の香りの働きを活用すれば、毎日がより快適に過ごせるでしょう。

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