食事療法でアトピー改善 改善のポイントは、体内の化学物質を減らして、綺麗な血液にすること。

食事療法でアトピー改善
改善のポイントは、体内の化学物質を減らして、綺麗な血液にすること。

子供だけではなく、大人になってからのアトピー発症もある

近年、アトピー性皮膚炎に悩む人が増え続けています。

病院に行くと、治療薬として出てくるのが、ステロイド。しかしステロイドの長期使用は、免疫システムを壊してしまう可能性もあり、そうなるとかえって悪化します。

「オーガニック生活便」のアトピー性皮膚炎改善のおすすめは、食事を見直すことです。

私自身は、専門家の食事療法によって、アトピー性皮膚炎を完治した経験があります。

今回は、その食事療法について詳細をお伝えします。

私が全身のアトピー性皮膚炎を突然に発症したのは、30代の半ば。それまでアトピーは、子供の病気というイメージがあったのですが、そのときになって、アトピーに悩んでいる大人も多いことに気づきました。

痒みで夜も眠れず、仕事中も痒みが襲ってくる日が続き、「痒みは、痛みよりも苦しい」と何度も思いました。

食生活の変化がアトピー性皮膚炎の増加に

通常であれば、病院に行くのでしょうが、私はアトピーを食事療法で治してみようと決めました。そうすることでより皆様に役に立つ情報を伝えられると感じていたからです。

アトピー改善のための食事療法を指導してくれたのは、児玉陽子先生です。児玉陽子先生は、日野厚医学博士と共に、日本で初めて一般病院に食養内科を創設。40年近くにわたり患者さんの食生活を指導してきました。

アトピー性皮膚炎は、この50年ほど前から目立ってきた病気で以前はなかったものです。

児玉陽子先生は、アトピー性皮膚炎の急激な増加は、食事が昔とはすっかり変わってしまったことと関係があると考えています。

日本人の食生活は、経済の成長に伴い欧米風のスタイルが普及し、肉食偏重や洋食に偏った内容へと変貌しました。お米の消費量が減少する一方、遥かに多くの肉類や乳製品、パン等を消費するようになりました。

1970年代に入ると、洋食レストランやファストフード店の増加が日本人の食習慣をさらに変化させ、さらに近年ではコンビニエンスストアの普及がこの状況に拍車をかけています。

つまりファストフード・コンビニ弁当・スナック菓子等の油を多く使った料理や肉食の過剰な摂取が、アトピー性皮膚炎だけではなく、アレルギーや生活習慣病を増加させているのです。

油っぽい食事や食品添加物が血液をドロドロに

食品添加物は、保存料や甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程あるいは食品の加工・保存の目的で使用されるものですが、ほとんどが石油で作られています。つまり自然界にない化学物質です。コンビニで売られているおにぎり一つに、二十種類程度の添加物が使われています。古古米を柔らかく保ち、ツヤツヤと光って美味しそうに見えるように増粘多糖類などを加えます。

また肉類や脂っこい食物を過剰に摂取すると、血管内にコレステロールや糖分が増え、ドロドロした状態の血液になります。すると老廃物が増え、乳酸も貯まります。疲労が抜けなくなったり、免疫機能も低下するため、アトピー性皮膚炎が発症します。より深刻な場合は、血管が詰まる脳梗塞など、命に関わる病気を起こす原因にも繋がります。

基本は、パン食ではなく米食に

児玉先生に、改めてアトピー改善のためにお会いしました。

最初に言われたことは、「外食には何が入っているかわからないでしょう。だからアトピーを治したいのだったら、食事は全部、手作りしてね」。

私の戸惑う気持ちをすぐ察して、 「安心してください。私が教えるのは、とても簡単な食事療法だから」。

「まずはパン食を止めて、3食、ご飯食にすること。今は、炊飯器がある時代なのだから、それは難しくないでしょう」。

ただし精製した白いご飯ではなく、ミネラル豊富な玄米、分づき米。ミネラルや栄養価を高めるために、麦や雑穀を加えること。免疫システムが強化され、体内の化学物質を排出する力が高まるそうです。

パン食、パスタ、麺類など、小麦類が原料のものは食べないこと。小麦粉の原料は、輸入ものがほとんどなので、農薬の害も多く、これまた体内に化学物質を蓄積させることになります。

食品添加物が多い加工食品は食べない

デパートで販売されている惣菜、かまぼこ、菓子類など、加工食品は食べないこと。これは食品添加物を避けるためです。

とくにハムやウインナーは、増粘剤やアミノ酸、保存剤などたくさんの食品添加物が使われていますが、最も気になるのが亜硝酸ナトリウム。ハムやウインナーの原料は肉なので色が変質しやすいため、あえてピンク色を保つためのものです。しかし亜硝酸ナトリウムは、発がん性が疑われている食品添加物です。

綺麗な血液を作るために常食してほしいおかず

小松菜は、肌の再生を助ける葉緑素とミネラルを豊富に含んでいます。小松菜は、あまり品種改良されていないため、他の緑黄色野菜よりも自然の働きが強いそうです。

化学物質のデトックスと綺麗な血液を作るために欠かせないのが、カルシウム。そのためにノリや雑魚、ゴマなど、カルシウムとともに様々なミネラルも豊富に含んでいる食材を常食することを勧められました。

肉や魚も少しなら食べていいのですが、アトピーの症状がひどいときには、痒みの原因になるので、2か月の間はお休みしました。

とにかく肝心なのは、ドロドロになっている血液を、ちゃんとしたものを食べて綺麗な血液にすることなのです。

簡単・食事療法でアトピー改善

食事療法と聞くと、いかにも難しそうですが、児玉先生の献立はシンプルで食材を数多くする必要もなく、とても簡単でした。基本をまとめると以下になります。

  • 主食玄米や胚芽米、麦、小豆、アワ、ヒエ、ハトムギなど、雑穀を混ぜても良い。
  • 副食小松菜のおひたし、海苔、ゴマ、雑魚を常食する

私は、2か月の間、来る日も来る日も、雑穀ご飯と海苔、雑魚やゴマをかけた小松菜のお浸しと、同じようなものを食べ続けました。これに時折、納豆、だいこんおろし、れんこんのハンバーグなどの季節の野菜が加わりました。仕事仲間と昼食をともにすることもありましたが、そのときはお店の方にアトピーのために食事療法をしていることを告げて、手製のお弁当にしました。

ひと月目はとくに改善の兆しはなく、「本当に食事だけでこんなひどいアトピーが治るのだろうか」と疑問もよく過ぎりました。

でもひと月を1週間ほど過ぎる頃、痒みが徐々に和らいできました。そして2か月目、私の全身アトピーはすっかり引いたのです。

この経験以来、毎日の食事にこそ、私たちの健康を支えてくれていることを実感するようになりました。まさに「昨日食べたものが体になる」のです。

同時に、今の時代の、一見豊かな食生活には、怖いほどの問題が潜んでおり、それが様々な病気の原因となっていることも鮮明に見えるようになりました。

                         

(生活便編集部 佐々木順子)