
天然成分で虫除け対策を!
お部屋での殺虫剤は危険!

春から夏へ、虫が発生する季節がやってきました。
家庭で虫対策としてよく使われるのが、殺虫スプレーの他、蚊取りマット、また最近では60日間連続効くノーマットや、網戸に取り付けるというものまで、いろいろで登場していますね。
でもこれらは主にピレスロイドという化学合成の農薬が転用された殺虫剤です。
つまり部屋の中に農薬を散布することに!!
ピレスロイドは虫の神経をマヒさせることにより殺虫します。
人を含む哺乳類に対しては、速やかに代謝・分解され、ほとんど影響がないとされていますが、過剰に吸入したり、皮膚に付着したりすると、吐き気、嘔吐、頭痛、耳鳴り、皮膚過敏症などの症状が出る可能性があります。重症になると、呼吸障害、ふるえを起こすことが報告されています。また、皮膚過敏症、気管支喘息、鼻炎、結膜炎を起こすこともあるとされています。
また発がん性や環境ホルモンの疑いがあるという指摘もあります。
いくら蚊や虫を退治してくれるからと24時間60日間、家中にピレスロイドを漂わせるのは非常に危険と言わざるを得ません。虫だけではなく人間にも悪影響があります。
蚊取り線香も化学合成成分で作られる

蚊取り線香は、もともと除虫菊(シロバナムシヨケギク)の花から抽出したピレトリンという天然成分から作られていました。蚊取り線香は、自然の原料からできているから安全、と思っている人も多いかと思います。
しかし、除虫菊から抽出される「ピレトリン」と似た「ピレスロイド」という成分を、石油から合成できるようになりました。今ではほとんどの蚊取り線香が合成成分のピレスロイドで作られています。
肌につける防虫スプレー

また公園など外出時に肌に直接かける虫除けスプレー。一般に売られているスプレーには、ディートという化学合成成分が配合されています。ディートもやはり神経毒性があり、蚊など血を吸う虫の感知能力を撹乱することで、人間から発生する二酸化炭素や臭いがわからなくするというものです。
しかし、虫だけでなく人に対しても神経毒性の可能性があるため、日本国内では使用制限があります。
虫が嫌う植物を利用した虫よけ対策

おすすめなのが、虫を殺すのではなく、虫を寄せつけなくする天然の虫除け精油です。人にとっては心地良い香りなのですが、虫にとっては嫌な香りを利用したもの。
例えばラベンダー。あんなに心地よいラベンダーの香りも、虫は嫌いなようです。
実は、世界各地に植物を活用した、伝統的な虫除けがあります。
古代エジプトで使われていた香油。香油はただ香りを楽しむだけではなく、防虫や殺菌の目的がありました。また蚊除けとしてわさびの種子油が使われていたと言われています。
南米のアマゾンでは、コパイバの樹脂、東南アジアではレモングラスやベチバーなどが虫除けとして使われてきました。
ヨーロッパでは、窓辺にゼラニウムなどの鉢を置いていますが、花のある景観を楽しむ目的だけでなく、窓から蚊や虫が入ってくるのを避けるためでもあります。
オーストラリアの先住民族は、ユーカリやティートリーを虫よけとして利用していました。
そして沖縄ではゲットウを虫対策に使っていました。 また衣類の虫除けには、楠(くすのき)からとった樟脳(しょうのう)などが使われていたことをまだ覚えている人も多いのではないでしょうか。青森では、ヒバで建てられた家には、蚊やシロアリが近寄らないと言われてきました。
安心安全、快適に虫除けを!

植物の力を活用した防虫対策は人のからだにとっては不安がなく、かえって元気にしてくれるものもあります。たとえば精油を活用すると、スキンケアをしたりリラックスしたりしながら、防虫対策ができます。
防虫対策として、有効な精油をあげてみると、ゼラニウム油、ローズウッド油など、これは肌を活性化してくれます。そのほかユーカリ油、シトロネラ油なども防虫効果がありますが、これらは気分をリラックスさせてくれる精油です。
「虫を殺す」のではなく、「虫に避けてもらう」という、とてもやさしい方法は、オーガニックライフを愛する人にとっては心和みます。
植物の恵みを活用した虫除けで、身も心もさわやかに過ごしましょう。