天然繊維のインナーで夏を快適に過ごす

天然繊維のインナーで夏を快適に過ごす

合成繊維の衣類がマイクロプラスチックに!

「軽くてしわになりにくいから便利!」と、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維の衣服がもてはやされてきましたが、ここにきて、新たな問題が浮上しています。

昨今は、海のプラスチックゴミ問題が注目されていますが、合成繊維もまたマイクロプラスチックになってしまうからです。

たとえばポリエステルの衣類を洗濯すると、はがれた繊維が、何十万ものマイクロプラスチックとなって放出されてしまいます。洗濯から生じたポリエステル繊維は微細なため、下水処理施設でも引っかかることなく流れていきます。その後、さらに細かなマイクロプラスチックになりながら海へと向かうのです。

 アメリカの環境雑誌に掲載された記事によると、ポリエステル製の衣服を着て生活するだけでも、マイクロプラスチック繊維が空気中に放出されてしまうとのこと。当然ながら空気中に漂うマイクロプラスチックを吸い込んでしまうと、健康を害する可能性は否定できません。

 衣類だけではなく、合成繊維の布団、クッション類やカーテンもまたマイクロプラスチックとなって室内に浮遊します。健康を考えるならば、衣類だけではなく布製品類もまた、天然繊維の製品が望ましいのです。

世界各地に衣類のゴミ山問題

アジアやアフリカ地域のあちこちで衣類のゴミ山問題が深刻化。古着として販売するために輸入されたものの、売れなかった衣類が違法に捨てられているのです。

 衣類のゴミ山問題が深刻化する理由は、現代の衣類の半分以上が、ポリエステルやナイロン、アクリルなどの合成繊維で作られるようになったため。コットンやシルクなどの天然繊維と異なり、合成繊維は自然界で分解できないプラスチックと同じようなものなので、衣類のゴミ山は年々大きくなるばかり。合成繊維は外界にさらされているうちにより微細なマイクロプラスチックとなり、大気、水、土壌の汚染物質となっているのです。

 当然ながら、合成繊維は化石原料由来なので、温暖化も進めてしまいます。つまり衣服を大量に作ること自体が地球環境を悪化させることになり、流行やファッションをあおる衣類産業のあり方を改めて考え直すことが求められています。

自然界を汚染しない天然繊維

合成繊維は、自然界で分解できないだけではなく、素肌にとっても問題。肌にストレスを与えて乾燥させ、しばしば痒みやくすみを引き起こします。とくに夏のインナーとしては、おすすめできません。合成繊維は、汗の吸収率が低く、熱をこもらせてしまうからです。

いっぽうコットン、シルク、麻などの天然繊維は、自然界で循環できる素材で、マイクロプラスチックになる懸念もありません。また素肌にもやさしく、汗を吸収して程よい湿気を保ち、体にとって心地よい環境を作ってくれます。

農薬を使わずに栽培されるオーガニックコットン

ところで天然繊維と言ってもコットンはちょっと問題があります。

コットンの原料である綿花は、アメリカや中南米、インド、アフリカでの栽培において、大量の農薬を害虫駆除の手間を省くために使うようになってしまったからです。なんと世界で使用されている農薬の25%は綿花栽培によるもので、1種類の作物としては最大です。

さらに綿栽培では、大量の農薬に加えて、収穫を早めるために除草剤(枯葉剤)が散布されます。これはかつてベトナム戦争でアメリカが大量に散布したことで有名ですが、催奇性があり、その影響がいまだにベトナムの子供たちに出ています。

いっぽう農薬や除草剤に一切、たよらずに栽培されているのがオーガニックコットンです。

またほとんどのオーガニックコットン製品は、農薬を使わない栽培だけではなく、製品として仕上げるときには、柔軟剤や蛍光剤などの化学薬剤を使っていません。そのせいかオーガニックコットンは、素肌にふんわりとやさしく感じられます。

この夏は、ぜひオーガニックコットンのインナー類を使ってみてください。

シンプルだけどほっとやさしく素肌を包み、熱さを和らげてくれます。

お気に入りのオーガニックコットン製品を長く大切に使っていると、もっとやさしく地球と一緒に生きていく暮らし方が見えてくることでしょう。

「オーガニック生活便」の天然繊維のインナー