ハーブ物語 月桃のお話

ハーブ物語
月桃のお話

スパイシーな甘い香りの月桃の葉

月桃の名は花の粒が桃のように見えることから月桃というという説がありますが、台湾の現地語「ゲータオ」と発音しているものに「月桃」と当て字をしたという説が有力だとされています。

月桃(げっとう)は、熱帯・亜熱帯に自生しているショウガ科ハナミョウガ属の多年生常緑草本で、 日本では、沖縄から九州南部に自生しています。

月桃の花は4月下旬ころから咲き始め、4cmから6cmくらいの提灯のような総状花序をつけます。赤く縁取られた白い苞に包まれた蕾で、そこから突き出すように大きな白い花を咲かせます。
花弁は厚く、唇弁は黄色みを帯びており中央に赤い縞模様があるのが特徴です。9月から10月になると赤い実を結びます。

月桃の葉は長さ40cmから60㎝と大きく、深い緑でつやつやとしています。

スパイシーな甘い香りがするので、アロマオイルや香料に利用されます。
アロマの効能としては、ストレスや緊張を和らげてくれる作用があると言われています。脳を刺激し、血圧降下作用もあるので集中力を高めたい時などにも効果的です。

赤ワインの34倍のポリフェノール!

沖縄では月桃の葉で餅を包んで蒸したムーチーというお菓子があります。
子供時代を沖縄で過ごした人ならば必ずと言っていいほど食べたことのあるお菓子です。
旧暦の12月8日には子供の年齢分のムーチーを軒に吊るし健康を祈り厄除けとする行事は今でも続けられています。

月桃の葉で餅を包んだのは、餅の香りがよくなり、そして長持ちするからです。それはまさに月桃の葉に含まれる抗菌作用成分とそして抗酸化成分、ポリフェノールのおかげです。

実は月桃の葉には、赤ワインの34倍ものポリフェノールが含まれていることがわかっています。
ポリフェノールには、高い抗酸化作用があり、アンチエイジングなど美容効果が期待されています。

また月桃には抗菌作用があり、ニキビなどの肌トラブルや肌の炎症を抑えてくれます。
更にミネラルも豊富で保湿や日焼けのあとの肌ケアにも効果があると言われています。
また月桃の葉は、ポリフェノールが多く含まれているので健康茶としても人気があります。ポリフェノールは、主に動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞に効果があり、過剰な活性酸素の働きを抑制する効果があります。

いろいろな用途で人気の月桃

月桃は葉だけではなく茎も月桃紙として、便箋、封筒や絵葉書などに利用されています。
また自然素材の月桃紙壁紙、月桃紙障子紙も好評です。

月桃の種子もまたお茶として飲まれています。種子には健胃剤としての働きがあり、またウスターソースやカレーの香辛料としても使われます。

月桃の葉の爽やかな芳香は、防虫効果、消臭効果、鎮静効果があり、沖縄では庭によく植えられています。
生の葉は置くだけで防虫効果があり、ゴキブリ、ダニが近づかなくなったり、生ゴミの近くに置くと子バエの発生も減るからです。

葉を乾燥させた細かく切ると香りが強くなり、袋に入れて匂い袋を作ったりと、生活の中でもよく利用されています。

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