冬は、保湿力が持続するバルサムで乾燥ケア
～そもそもバルサムって何？　なぜ敏感肌にいいの？～

バルサムって何？

バルサムという言葉を、オーガニックの化粧品でよく目にします。

少し固めのクリーム？

そんなイメージはあっても普通のクリームとはどう違うのか、どんな使い方をすればいいのか、よくわからないという方も多いはず。そこで今回はバルサムのお話をします。

バルサムとは、ミツロウ※などの天然のロウ類とオイルを練り合わせてクリーム状にしたものです。

バルサムは、バームとも呼ばれています。 そのバルサムは大変長い歴史を持っています。古代エジプト時代から、キズややけどの軟膏として、乾燥から肌を守る保湿用として、または練香水として使われていました。

その後、ヨーロッパでも長い年月をかけて人々に愛され使われ続けてきました。日本でもいわゆる軟膏と呼ばれるものは、ほとんどこのバルサムがベースになっています。

※ミツロウとは、働きバチが巣を作るために分泌する蝋を精製したもの。

乳化剤や防腐剤も必要ないバルサム

バルサムとクリームの違いは水を使っているかどうかということ。バルサムの基本原料が「ミツロウとオイル」であるのに対して、クリームの基本原料は、「オイルと水」、そして二つを混ぜ合わせるために必ず「乳化剤」が必要です。クリームは、水を使用しているため、防腐剤も必要になります。

一般的な現代のクリームには、オイル成分として、石油由来のミネラルオイルが合成油剤成分、乳化剤として合成界面活性剤、そして防腐剤にはパラペンなど、ことごとく石油由来のものが使われています。

クリームの使い心地はいいように感じますが、実は肌にとって嬉しくない合成成分のオンパレードで作られたクリームが多く出回っています。

バルサムは、素材がシンプルだから安心

古代から愛され続けてきたバルサム。それにはちゃんとした訳があります。

まず、あげられるのは、素材のシンプルさ。基本的には天然ロウとオイル。この２つだけです。このシンプルさゆえに乳化剤も防腐剤も必要ありません。オイルの配合が多いと柔らかめのバルサムが、少ないと硬めのバルサムができあがります。

天然ロウとしては、主にミツロウ、その他にカルナウバロウ、キャンデリラロウなどが使われます。

オイルには、オリーブ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、アーモンド油、ゴマ油、ツバキ油などが使われます。

例えばマカデミアナッツ油は人の皮脂に近く肌になじみやすく、ツバキ油は保湿に優れているなど、オイルによって様々な特性があるため、それによっても使用感が異なるバルサムができます。

バルサムは、この基本の天然ロウとオイルに加えて、香料として精油、様々な植物エキスが配合されているものも多く、それらの配合成分によって美容効果もそれぞれ特色のあるバルサムとなります。いずれにしても天然成分のみで作ることができるので、安心して使うことができます。

シンプルな自然素材で作ることができるバルサムは、とくに肌が敏感な人や、赤ちゃんにおすすめです。

バルサムは保湿力が持続することが特色

バルサムは、天然ロウと油分の混合なので肌につけると皮膚の上に薄い膜を張るという特性があります。そのため保湿力が持続するので、乾燥が厳しくなる冬にはぜひ使いこなしてください。

化粧水の後、フェイス用として使うだけではなく、バルサムを１つ持っていると、いろいろな場面で活用できます。紫外線から肌を守るので化粧下地としてもおすすめです。

また手荒れでお悩みの方も、じつはバルサムがおすすめです。バルサムは、水をはじく性質があるので、普通のハンドクリームより、手を洗っても落ちにくいため、水仕事の保護用として適しています。

その他、バルサムは、ヘアワックスとして髪にツヤを与えて髪を整え、爪のケアに、リップクリームとして、また、キズややけどなどに軟膏としても使えます。

バルサムの使い方のコツ

こんなに便利なバルサムですが、どうも油っぽくて使いにくい・・・という声もあります。

バルサムには使い方のコツがあります。油っぽいと感じる方は使う量が多すぎるようです。いつも使っているクリームと同じ量で使うとベトベトしてしまいます。バルサムを使うときは少な目を心掛けてください。

フェイスクリームとして使う場合

たとえば米粒くらいの量をとって手のひらでのばしてみましょう。硬くてのびないイメージがあるかもしれませんが（冬は特に）、肌の温度で溶けるので想像よりずっとのびます。米粒大でのばしてみて足りないようならまた少量をとってのばしてください。または化粧水とバルサムを手の中で混ぜ合わせ、それを顔に押し当てるようにすると、程よくつけることができます。

化粧下地として使う場合

米粒大をとり、手のひらでのばした後、両頬におき顔全体にのばしてください。足りない場合は少しずつ足してください。 もし、テカリが気になったら、その上から化粧水をつけてのばすか、またはティッシュで軽く押さえてください。これで下地は完成です。この後ファンデーションをつけます。

美容液として使う場合

目のまわり、乾燥が気になる頬、口もとなど気になるポイントに少量のばします。バルサムはクリームよりも保湿力が持続するので乾燥対策には最適です。