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2014年5月28日up

アイシス・ウィーン支部より第4回の記事が届きました。

ハプスブルク家王宮前の門。ウィーンは夜になると、美しい光に彩られるが、さまざまな場所で省エネが活用されている。

「ウィーン・エネルギーハウス」の相談員。背広にジーンズの組み合わせがお洒落で、訪れた人に親しみを感じさせます。

ウィーン西駅付近の大通りにある「ウィーン・エネルギーハウス」。

2012年の『アスペアン・ウィーン海岸都市』。青い空と海が調和したのどかな地域でした。(※参考)

2013年の『アスペアン・ウィーン海岸都市』。コンクリートに覆われた場所に変わってしまいました。(※参考)

ウィーンに「グリーンハウス」建造中。ひとつひとつの家や建物が自立してエネルギーを作り、まかなうスタイルは、現実になりつつあるのですね。
(アイシス編集部・編集長水上洋子)

ウィーンの自然エネルギーを活用した新たな取り組み、自家発電だけでまかなえる「グリーンハウス」

ウィーン市議会は、自然エネルギーを実際に活用することにおいて非常に積極的です。たとえばウィーンの西駅付近には、「ウィーン・エコロジーハウス」があり、ここでは自然エネルギーやエコ家電について、誰もが気軽に相談できるようにアドバイザーを待機させています。こうした相談所は、現在、ウィーン市内に3箇所あります。

数ヶ月前、ウィーンに「全てが自然エネルギーだけの地域を造る」という案が出ていたようですが、なんらかの理由で中止または延期になりました。おそらく設備投資の際の経費面の問題でしょうか。 それでもウィーン市議会は、自然エネルギーの新たな活用への試みへ向けて動き出しています。実際に現在、注目されているのが、自然エネルギーとエコロジー技術を駆使する『グリーンハウス』。この『グリーンハウス』とは、じつは大学生310人が生活できる寄宿舎 (居住有効面積 約7,000㎡)。ウィーンの最新の開発地区である『アスペアン・ウィーン海岸都市』に、2015年9月1日完成する予定で着々と工事が進んでいます。

自然エネルギーでも余剰があるプラス・エネルギー住宅

『グリーンハウス』は、ウィーン市議会からの要求によって、エコロジーの観点からパッシブハウス〈超省エネ住宅〉の基準(暖房需要15 kwh/m2/年 以下)を満たすように設計されています。また、自然エネルギーによる自家発電で居住者の生活に必要なエネルギーを十分にまかなえる建物を目指しています。更にただエネルギーをまかなえるだけではなく、エネルギーの余剰がある『プラス・エネルギー』を目標に計画されています。

屋根の太陽光発電により電気エネルギーを生成できる設計になっているのですが、居住者以外の人が利用できるほどの余剰の自然エネルギーの生産をもできることを目指しているそうです。 そのためガレージには蓄電設備をおき、将来的な観点からもエコを考えています。また、「グリーンハウス」内で使うIHクッキングヒーター、LEDテレビやモニターなどは、エネルギー効率が非常にいい機器を選んで設置することになっています。

さらにエネルギー面だけでなく、自然の3つの要素『太陽・風・土』をふんだんに取り入れ、建物の名前『グリーンハウス』にふさわしい設計をしているとのこと。例えば寒い季節には、明るいガラス壁によって太陽光の熱を取り入れ、真夏には緑で覆われた屋根によって暑さを和らげます。また、存在検出器やCO2センサーを取り付け、換気システムを効率よく制御できるよう計画されています。

これからのエコロジープロジェクトの模範を目指す

『グリーンハウス』の建築費用は、約1150万ユーロ(約16億円)。このうち、1/3の400万ユーロをウィーン市議会が援助しています。この地区の責任者ノベルトさんは、今回『グリーンハウス』を建てることにより、「これからのエコロジープロジェクトの模範となることをとても嬉しく思っている」とのことでした。オーストリアの自然エネルギー技術分野は、年々、経済的にも伸びており、そのことも欧州の中でも経済的に安定した国になっている要因とも言えます。

ただしちょっと気になることがあります。新たな自然エネルギーの試みとはいえ、この海岸地域の自然がかなり壊されてしまうことです。広いオーガニック農業地域にも、人も動物も憩える山林地域にもできそうな土地を、人間が必要なエネルギーのために都市化してしまわねばならないとは…。

写真にあるように、建築が進むにつれ、美しい海岸地域は、すっかりコンクリートに覆われてしまいつつあります。今の時代の人々は、あまりに多くのものや快適さを望み過ぎているのでは…。ふと、そんなため息をもらしてしまうのは私だけでしょうか?…余談でした。(ゼマンみのり)


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