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2015年5月12日up

オーストリアのグリーンエネルギーNOW

オーストリアの再生可能エネルギー技術の高さは、EUでも評価されている

水と森に恵まれたオーストリアは、再生可能エネルギーを早くから推進。

豊富な森林を生かして、バイオマスエネルギーに力を入れている。

オーストリア連邦産業院のシュタインスベルクさん(写真右)。インタビューを終えて。

ウィーンにある廃棄物焼却熱を活用したショッビテラウ発電所。芸術的な装飾で知られている。

環境技術で輸出と雇用が伸びる

アイシス編集部は、ウィーンのヴィードナー・ハウプト通りにあるオーストリア連邦産業院を訪ずれた。ここは、今回のオーストリア取材に協力をしてくれた「在日オーストリア大使館商務部」の本部でもある。  インタビューに応じてくれたのは、「環境とエネルギー政策部」のアクセル・シュタインスベルクさん。

アイシス EUには経済的な危機にある国もありますが、オーストリアの経済状況はどうですか?

シュタインスベルク オーストリアは、2011年には一度、経済的危機に陥りましたが、今ではそこから脱出し、安定を保ちながら少しずつ伸びています。

アイシス オーストリアの経済は好調とのことですが、太陽光や風力、バイオマスなど、環境技術の分野はどうでしょうか?

シュタインスベルク 太陽光やヒートポンプやペレットストーブ、電気と熱を同時に作ることができる設備など、オーストリアの環境技術分野は順調に伸び続けています。1993年から2013年の10年間を見てみると、再生可能エネルギー分野の売り上げは2倍になっており、雇用も増加しています。とくに再生可能エネルギー設備の海外輸出が大きいですね。


世界に先がけて「原発NO」を選択をしたオーストリアでは、再生可能エネルギー技術は今や最先端にある。その技術は、今後ますますEUだけではなく世界中から求められていくはずだ。再生可能エネルギーに力を入れることは、経済の足を引っぱるどころか、さらに経済が伸びることは、オーストリアの現状が証明している。

オーストリア産業界で尊重されている「京都議定書」

アイシス オーストリアの環境技術分野は、好調な経済の一要因になっているわけですね。環境保全と経済が両立しているわけですから素晴らしいことですね。ところで温室効果ガスの削減を提唱した「京都議定書」はオーストリア産業界ではどのように受け止められていますか?

シュタインスベルク 「京都議定書」は、オーストリア産業界では高く評価されています。当時のオーストリアは20%と温室効果ガス排出量が高かったのですが、今では15.6%に落ちました。これはEUでは、スウェーデンについで2番目に低い数字です。今後、オーストリア政府は、再生可能エネルギーの割合をさらに増やしていく目標をたてています。

アイシス 具体的な数値目標は出ていますか?

シュタインスベルク 現在EUでは、2020年までに再生可能エネルギーを20%に高めていこうという目標が出ていますが、オーストリアはもっと高い目標を出しています。オーストリアは現在、電力や暖房、燃料などを合わせた総エネルギーのうち、再生可能エネルギーが30%ですが、2020年までに34%に引き上げていく予定です。4%というと、低いようですが、実際に達成するにはたいへん高い数字です。

EUの国々に原発の代償の大きさを確認させた福島原発事故

やはり一番気になるのは、日本の福島の原発事故が、今のオーストリアと、そして周辺の国々にどのような影響を与えているのかということ。ぜひともヨーロッパ現地の声をじかに聞きたいと思った。


アイシス 福島の原発事故は、オーストリアではどのように受け止められましたか?

シュタインスベルク オーストリアではすでに原発ゼロという体制ですが、福島の原発事故は、オーストリアの人々に、原発のリスクがいかに大きなものかを再度、確信させることになったと思います。

アイシス また福島原発事故は、オーストリアの周辺の国ではどのような動きがありましたか?

シュタインスベルク 隣国のドイツは、2022年までに原発廃止を決めましたし、原発再稼動を模索していたイタリアも稼動停止を決めました。しかし今後、それらの国で、どのようにしてゼロにしていくのかという具体案は出てなく、ほとんどインフラが進んでいません。原発に依存してきた国が、新たな電力を何によって作りだすのかは難題です。

アイシス 今、新たに「原発ゼロ」を目指す国々に対して、オーストリアは、有益なアドバイスができるのではないでしょうか。

シュタインスベルク その通りです。オーストリアは、再生可能エネルギーに取り組んできた歴史が長いわけですから、原発依存から脱却したいと考える国々に対して、技術面やインフラ体制において現実的な支援ができると言っていいでしょう。

環境汚染問題は、一国では解決できない

 とはいえ、オーストリア一国が「原発NO」を決めたとしても、不安は残ったままだ。


アイシス 今回のオーストリア取材中に「周辺国の原発が心配」という声をあちこちで聞いたのですが。

シュタインスベルク オーストリアの国境沿いには、ハンガリーやチェコ、スロベニアの古い原子力発電所が稼動しています。それらがいつ事故を起こすとも限らないという厳しい現状があります。

アイシス 改めて思うことですが、原発の汚染は、一国の問題ではないということですね。

シュタインスベルク 世界中で原発は増え続けており、年々、放射能汚染の危険性は増加するばかりです。またいっぽうでは温室効果ガスによる気候変動も深刻化しています。地球環境を守るために一国だけが高い目標を決めても問題は解決しません。今こそ、全世界が一斉に高く跳躍するぐらいのつもりで、高い目標を掲げ、それを実施すべき時期に来ていると私は思います。


もはやぐずぐずしているときではない。
予断を許さない深刻な環境問題を解決するには、「全世界の高い跳躍が必要だ」というシュタインスベルクさんの言葉が心に響いた。




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