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ムードではなく成分知識で選ぶ基礎化粧品

いつまでも若々しく健康な素肌を保ちたい、もっと輝く素肌を手に入れたいという願いをこめて、毎日のケアに使う基礎化粧品。しかし、現代には問題の多い化学成分が含まれた化粧品がたくさん存在するのも事実。基礎化粧品は、不安な化学成分を避け、安全な自然の成分で作られたものを、しっかりラベルをチェックして選びたいものです。

石油由来の化学成分がなぜ危いか知っていますか?

化粧品の中身が、成分を見ただけではどんなものが入っているかわからないものになってしまったのは、いったいいつの頃からでしょうか。現在、デパートやスーパーの売り場に並ぶ製品のほとんどが、石油から合成された化学成分で作られた化粧品です。

化粧品が石油原料で作られるようになった理由は、まず安いこと。もうひとつは、腐らないということ。腐らないという性質は、保存期間が長く安定した流通させやすい化粧品を作ることを可能にしました。

化学成分で作られた化粧品が使われるようになったのは、じつはほんの40~50年前のこと。その歴史はまだ浅く、今になってやっと素肌にさまざまなトラブルを引き起こすことがわかってきているのです。短い使用期間でははっきりと自覚できる害がなくても、毒性はだんだんと蓄積されていくのが怖いところです。

美しい素肌を取り戻すための基礎化粧品だから、不安な化学成分を避け、しっかりラベルをチェックして選びたいですね。

洗顔料
洗顔料に使われる合成界面活性剤の不安

「スキンケアの中でももっとも大切なのは洗顔」というのは、よく耳にする言葉ですね。自分の素肌に合った洗顔料で、必要なうるおいや油分を残してやさしく洗い上げる、これも常識となりつつあります。
でも、ひとくちに洗顔料といってもいろいろなタイプのものが店先に並んでいて、どれがいいのか迷ってしまいます。どんなものが成分に含まれているか、わかりにくことも不安なところです。

市販の多くの洗顔料に使われている合成界面活性剤は、毛穴の汚れだけでなく皮膚の表面の組織まで溶かしてしまいます。さらには肌に必要な油分まで取り去られ、使い続けるうちに皮膚が本来もつバリア機能が次第に壊されていき、いつも乾燥してカサカサした状態になってしまいます。これが、合成界面活性剤入りの洗顔料が乾燥肌の原因になるゆえんです。

合成界面活性剤

ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなど

合成界面活性剤は、安価で大量生産しやすい代わりに毒性が強く、肌にダメージを与えていきます。なかなか解毒されない性質があるので、肌本来のバリア機能を壊しながら体内で蓄積されてしまうのです。

安全なのは大豆レシチン、グリセリン、ミツロウ、石けん素地など。これら以外の界面活性剤はたいてい合成界面活性剤です。

複雑な化学式のような薬品の名前は、合成界面活性剤であることが多いようです。

石けん、クレイ、穀物は素肌にやさしい天然の洗浄成分

では、本当に素肌のためになる洗顔料とは、どんな洗浄成分を使ったものなのでしょうか。

たとえば昔ながらの製法の石けん、天然の粘土であるクレイや穀物の粉などがあります。
素肌への安全性だけではなく、素肌を洗い上げる力も信頼できるものが長い時間をかけて選ばれてきました。

おなじみの石けんに含まれる洗浄成分は、天然の界面活性剤。同じ界面活性剤と言っても、天然のものと合成のものとではまったく異なる性質を持っています。石けんは、汚れを落としながらも皮膚を溶かしたりすることがないので安心できます。

とくに素肌が敏感で石けんでは洗浄力が強すぎるという人の場合は、クレイや穀類の粉末を使った洗顔がおすすめです。普段はとくに刺激が気にならない人も、素肌が乾燥気味のときや疲れがたまって素肌に元気がないときなどに使うとしっとり落ち着いた洗い上がりに。

クレイはしばらく顔にのせておけばそのままパックとしての働きもしてくれます。昔ながらのあずきの粉や米ぬかを使った洗顔もまた、洗い心地は穏やかながらもしっかり効果を実感できることでしょう。

化粧水
みずみずしい肌は美しさの第一条件

ツルツルの肌、顔色のよさ、元気な肌、化粧のり、トラブルがない肌・・・・・・肌の美しさにはいろいろあっても、共通して言えるのは、肌がしっかり水分を保っているということ。

保湿は見た目だけの問題ではありません。肌の水分量が足りないと、水分の膜がつくるバリア機能が落ち、空気中の汚れやアレルギー物質の影響をすぐに受けてしまいます。かゆみの主な原因も水分不足と言われます。

しっかり保湿して素肌本来の持つ力を取り戻せば、皮脂分泌のバランスがよくなり、とくに乾燥が気になるとき以外は、毎日のお手入れは化粧水だけでも十分なほどです。

冷暖房、パソコンや電子機器の帯電などが原因で、私たちの肌は年間を通じて乾燥しやすくなっています。外気にさらされて毎日がんばる肌に、たっぷり水分を補給してあげましょう。

化学成分の防腐剤を使っていない化粧水を選びたい

現在市販されている化粧水のほとんどに、パラベンなどの防腐剤が使われています。腐敗は水分が多いところで進むからです。

よく聞かれるのが、「腐ってしまうよりは、化学成分でも防腐剤が入っていたほうが安心では?」という言葉。たしかに腐敗したものを肌にのせればトラブルの元になります。でも、腐らせないために使用されている化学成分は本当に大丈夫なのでしょうか。雑菌を殺す化学薬品は、必ず肌を刺激し、ダメージを与えます。使ってすぐにトラブルにならなくても安心できないのが怖いところで、使っていくうちに肌の機能を少しずつ壊していきます。

化学成分にたよらなくても、植物には殺菌効果・抗酸化効果を持つものがたくさんあります。植物のエキスは、ブレンドすると相乗効果を発揮してよりいっそうの効果を生み出す性質があります。

たとえば、化粧水にローズマリーエキスを配合すると、ローズマリーは殺菌効果をもつので雑菌の繁殖を防ぐだけでなく、保湿、収斂効果もあるので肌にも効果を発揮します。さらにその化粧水に含まれるほかの植物エキスのもつ力もより強く引き出すのです。こんなすばらしい効果は、植物のパワーならではのもの。現代の進歩した科学でも、化学薬品にはまねのできないことです。

そのほか、お茶、笹、ヒノキチオール、グレープフルーツエキスなど、天然防腐剤は多くあり、これらを使用する自然派メーカーが増えています。

防腐剤

パラベン、パラベン化合物(メチルパラベンと表記)、安息香酸、安息香酸Na、フェノキシエタノールなど

自然派コスメをうたっていても、じつはたくさんの危険な化学成分が配合されていることが少なくありません。防腐剤で植物の力を殺してしまっては、自然派の意味もありません。買う前に必ずラベルチェックしましょう。

<パラベン、パラベン化合物>
人間のホルモンを狂わす環境ホルモンの疑いがあります。刺激が強く、つけた後に湿疹やかゆみを引き起こすことがあります。

<安息香酸、安息香酸Na>
皮膚や粘膜、目や喉に刺激を与えます。安息香酸化合物は変異原性、染色体異常の報告もある毒性の強いものです。

<フェノキシエタノール>
これも環境ホルモンの疑いのある防腐剤です。


クリーム
クリームを作る際の乳化剤に要注意

クリームがどうやって作れるか知っていますか?。
油分と水分を、ちょうどよいバランスで合わせることで、しっとりとしたクリームができあがります。

でも、本来水分と油は分離してしまうもの。水分と油分を混ぜることを「乳化」といい、そこで必要なのが「界面活性剤」と呼ばれるものです。また「界面活性剤」は洗顔料の洗浄成分としても使われています。

多くのクリームには化学成分の乳化剤、合成界面活性剤が使われています。合成界面活性剤は、安価で大量生産しやすい代わりに、肌にダメージを与える毒性の強いもので、肌本体のバリア機能を壊していきます。

天然の乳化剤としてよく使われるのが、手作りコスメでもおなじみのレシチン。レシチンは卵や大豆に含まれる成分です。もちろん、せっけんにも界面活性剤としての働きがあり、乳化剤の役割を果たします。せっけんは天然のものなので、肌に安全。それだけでなく、洗い流しても自然と分解するので環境も守ります。

乳化剤

トリエタノールアミン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸塩、ノニフェノールなど

おもにシャンプーや洗顔料、クレンジングなどの洗浄剤として、または化粧品の乳化に使われます。

石油から作られる合成の界面活性剤は、皮膚のバリアゾーンを壊して皮脂腺の機能を低下させます。皮脂が分泌されなくなった肌は次第に乾燥していきます。

バリアゾーンが壊れてしまったあとは、通常では皮膚から取り入れられない危険性の高い化学物質(発ガン性物質や環境ホルモンの恐れがあるもの)が体内に取り込まれて、合成界面活性剤とともに脂肪や肝臓に蓄積されていきます。

鉱物油ではなく、植物油をベースにしたクリームを

クリームに使われるオイルが何から作られたものなのか、買う前にきちんと知っておきたいもの。植物オイルは、原料となる植物によってさまざまな効果があるからです。

植物本来の持つパワーを最大限に活かすため、精製方法も重要。精製の途中で捨てられてしまう成分にも、多大な効果をもつ植物エキスがつまっています。精製されすぎないほうが、肌への効果は大きいのです。もちろん原料となる植物は、無農薬、有機栽培しているものを選びたいものです。

気をつけたいのが、鉱物油を使っているもの。石油から精製された油分は、植物オイルが持つような肌への効果がいっさいないだけでなく、かゆみや湿疹、長年使い続けるうちに肌本来の機能を弱らせてシワやシミの原因になったりします。

鉱物油

流動パラフィン、ベンジルアルコール、エステルなど

石油化合物のオイルを総称して鉱物油といいます。鉱物油は安価で製品が安定しやすいので、多くの化粧品に長い間使われ続けています。

鉱物油は皮膚呼吸を妨げて肌の老化をまねき、肌本来のバリア機能を少しずつ壊しながら、シミやシワを作っていきます。また、生産過程で毒性の強い化学物質が排出されるため、環境への悪影響も問題です。最近は鉱物油の害が一般的に認知されはじめ、「鉱物油無添加」と書かれる自然派化粧品が多くなりました。

「ミネラルオイル」と表示されているものは、「鉱物油」。目になるというと肌に良いイメージですが、とんでもない!まぎらわしい表示には要注意です。化学物質の名前を覚えなくても、植物オイルした表示されていない化粧品を選べば大丈夫です。

安全な化粧品を選ぶ-1

ユーザーの真実を知ろうとする努力が、本当に安全な化粧品を作りだすのです。
今、化粧品による肌トラブルが増えているのはなぜ?知っていますか、多くの化粧品が石油から作られていること
石油が化粧品の原料になったのは約50年前

化粧品の原料が石油から作られるようになったのは、約半世紀前のこと。それまで世界中のどこでも植物や粘土や石など天然のものが化粧品の原料として使われていました。

石油から作られた科学成分を使った化粧品は、一時はすばらしい「科学の勝利」と思われました。とくに合成の界面活性剤は、水分と油の乳化を可能にしてなめらかなクリームを作り出し、石油から作られたタール系色素は、それまでなかったようなカラーの領域を広げました。
そんなふうに石油がまたたくまに化粧品の原料として定着した理由は、安価であること、腐敗しないこと、天候に左右される植物原料と比べて安定供給ができることがあげられます。つまり大量生産の製品の原料として最適だったのです。

しかし石油原料の化粧品の広がりとともにそれまでなかったような肌トラブルが続発するようになりました。代表的な例をしては「リール黒皮病」と言われるもので、顔全体が黒ずんでしまう症状が社会問題にもなりました。
さらに最近では、パラベンなどの合成の防腐剤が環境ホルモンになりうると報告されています。

素肌のトラブルとなる石油原料の化学成分

石油を原料として作られた素肌のトラブルとなる科学成分をあげると次のようなものがあります。

  • ・合成界面活性剤
  • ・防腐剤
  • ・タール系色素
  • ・鉱物油
  • ・合成香料
などです。

まず合成界面活性剤。これは油と水分の境界をなくすので、洗浄成分やクリームの乳化剤として使われています。

また合成界面活性剤は多くの市販のシャンプーの原料にもなっています。合成シャンプーが初めて登場したのは、1955年のこと、このときからシャンプーはせっけんから高級アルコールと言われる合成界面活性剤を使ったものが主流になったのです。

しかし合成界面活性剤はあまりに洗浄力が強く、使い続けているとゆっくりと肌の細胞を壊していきます。そのため皮膚が健全な保湿作用などを保てなくなり、乾燥したり、黒ずみの原因になっていきます。

髪もまた細くなり、キューティクルが剥がれ落ちてしまいます。さらに怖いのは、薄くなった肌からその成分が体内に流れ込み、ガンの原因にもあるという報告も出ていることです。

パラベンやフェノキシエタノールなどの合成の防腐剤には、環境ホルモンになりうるという説が出ています。

タール系色素は、石油から作られた合成色素であり、メイク用品によく使われていますが、これらは色素沈着の原因になることが問題となっています。

鉱物油とは石油を精製したオイルのこと。これは洗顔フォームやクリームや乳液、そしてクレンジングなどのベースになっています。とくに鉱物油のクレンジングは、マッサージをして使うため、皮膚の深いところまで浸透することとなり、肌に深刻なダメージを与えます。ラベルには鉱物油と記してあることはほとんどなく、「流動パラフィン」とかそのほかの油性基材の名前で出ています。

そのほか合成の香料も不安です。これらは鼻腔から吸収されたとき、神経系統にダメージを与えるおそれがあり、ホルモン分泌や精神を不安定にする可能性があります。


肌に危ない、石油から作られた科学成分

ほんのわずかな例ですが、化粧品のラベルに次の名前があったら、要注意です。

合成界面活性剤:ラウレス○○○、パレス○○○、クオタニウム○○○、ポリソルベート○○○、PEG○○○、○○○グルタミン酸Na
合成防腐剤:パラベン(○○○パラベン)、安息香酸Na、フェノキシエタノール
合成着色料(タール系色素):赤色○号、黄色○号、青色○号
鉱物油(油性基材):流動パラフィン、ベンジルアルコール、エステル

安全な化粧品を選ぶ-2

ユーザーの真実を知ろうとする努力が、本当に安全な化粧品を作りだすのです。

化粧品は、全成分表示の義務があること、知ってますか?2001年4月から化粧品は全成分表示になりました
中身がみえなかった化粧品

80年代から欧米諸国では化粧品に使われている成分をオープンにするようになり、とくにアメリカが先頭に立ってこれらを進めてきました。この流れをうけて、日本でも2001年4月から全成分表示が始まりました。全成分表示とは化粧品に含まれるすべての成分を配合の多い順に表示することを義務づけるという法律です。これによってようやく私たちも、お店で成分を確かめてから化粧品を買うことができるようになりました。

化粧品の成分は今まで「企業秘密」の名のもとに明かされず、102種類の旧表示指定成分しか確認できなかったわけですから、それまで女性たちはパッケージやボトル、使い心地などのムードを基準に化粧品を選ぶしかなかったわけです。ですから、全成分表示になり以前に比べて大きく前進したといえるでしょう。

しっかり成分をチェックして買える時代に

しかし、化粧品が全成分表示になったことで、それまで表示が義務づけられていた危険な成分(旧表示指定成分)が有効な成分と入り交じって表記されるようになり、チェックしたい危険成分が見えにくくなってしまったのが心配です。この旧表示指定成分とは、化粧品や医薬部外品に使われる成分のうち、過去にアレルギーを起こした成分として薬事法で指定された成分のことで、化粧品によって起こるアレルギー症状やトラブルを未然に防ぐ手がかりとなっていたのです。

また、見慣れないアルファベットやカタカナで、ずらりと記載された成分を見て、どのような用途のために使われ、どのような効果を与えてくれるのか、毒性があるのかなどを理解するのは、そう簡単ではありません。たとえ肌によいとされる成分であっても、人によっては肌に悪い反応が出ることもありますから、表示成分を見ながら自分の肌に合った成分を知ることも必要です。

とはいえ化粧品の成分が隠されていた時代よりも、全成分表示になった今のほうがずっといいのです。化粧品によるトラブルから肌を守り、本当の美しさを手に入れるためにも、今から化粧品の成分についての基礎知識を学んでおく必要がありそうです。

素肌が楽に呼吸できるメイク用品を選びたい

成分が見えない、医薬部外品になっているコスメ

UVケアやフェイスクリームなど、「医薬部外品」と表示された化粧品を見て、「普通の化粧品より効果がありそう」と思わず手を伸ばしてしまうことはありませんか。

医薬部外品と表示されていると、素肌にとって効果の高い成分が入っていると勘違いしがちですが、じつは配合成分の効果が承認されているだけで、そうとは限らないのです。医薬部外品とは「薬効成分が入っているが量は少ないので効果や副作用もおだやか」という、医薬品と化粧品の中間のものといえます。

危険性の高い化粧品も、医薬部外品として承認されてしまえば、全成分を表示する必要がなくなるので、ユーザーは注意しなければいけません。全成分表示が義務づけられたとき、一分のメーカーの化粧品は医薬部外品の登録をして表示することを避けたりしています。ユーザーとしては、「中身がわからないものは使わない」という姿勢をメーカーに伝える必要がありそうです。実際、医薬部外品を使って起きる肌トラブルは、表示されていない成分が原因とも考えられます。

安全な化粧品を選ぶ

ユーザーの真実を知ろうとする努力が、本当に安全な化粧品を作りだすのです。
「自然派化粧品」と「無添加化粧品」はどう違うのですか?素肌トラブルを引き起こしやすい、102の旧表示指定成分
無添加という言葉だけで安心できない理由

結論からいうと無添加化粧品と自然派化粧品はまったく違うものです。無添加化粧品とは化学合成物を使っていない化粧品というふうにとられがちですが、決してそうではありません。旧厚生省が認める約3000種類の物質のうち、危険性が指摘される102種類の旧表示指定成分を使っていない化粧品という意味で使われているだけのことなのです。

この102種類の成分は、過去の事例からアレルギーを起こす可能性が高いとされる成分で、合成界面活性剤、防腐剤、合成色素がおもなものになります。表示指定成分さえ使わなければ、化学合成物だけで作っても無添加化粧品なのです。旧表示指定成分ではなくても、安全性がはっきりしない物質や、生分解されにくいものは数多く存在するので、本当に安全だとは言いきれません。

人と環境にやさしい自然派化粧品を選ぼう

これに対して自然派化粧品とは、鉱物油の代わりにオリーブ油や椿油、ホホバ油などの植物油をベースにし、表示指定成分をはじめ、合成の防腐剤や色素、香料を使わず、歴史によって安全性が証明されている昔ながらの成分や自然の成分で作られるものです。アレルギーがまったく起きないというわけではありませんが、化学合成の化粧品よりトラブルも少なく安心して使えるために、健康や環境に関心の高い人、またアトピーやアレルギーを抱える人を中心に支持を広げ、以前に比べ入手しやすくなっています。

一分には植物原料や天然由来成分を使っているとして自然派化粧品を名乗るものもありますが、植物や天然成分からも合成化学物は作ることができます。ラベルに耳なれない化学用語があまり多く並んでいるようであれば注意しましょう。

メーカーの中には、化学成分を使わないだけでなく天然成分の素材も厳選し、契約農園で農薬をまったく使わずに育てられたハーブしか使わない、という徹底した姿勢をとっているところもあります。これは、私たちユーザーにとって、とてもうれしいことですね。しかも、農薬を遣わないハーブは肌にやさしく、土や河川も汚しません。肌に安心な化粧品を作ろうとすることは、結果的に環境を守ることにつながります。自分の美しい肌のためにも、環境のためにも、本当に安全でやさしい自然派化粧品を選びたいものです。


素肌のために知っておきたい旧表示指定成分

旧表示指定成分とは、旧厚生省により化粧品や医薬部外品に使われる成分のうち、過去にアレルギーを起こした成分として1980年に薬事法で指定された成分のことをいいます。これは、全成分表示になるまでの約21年間つづいてきました。しかし、2001年の4月に、全成分表示が義務づけられたことにより、この危険な旧表示指定成分が埋もれてしまい、見えづらくなってしまったのです。肌トラブルの原因になることが多い旧指定成分の代表的なものは、化粧品を買うときに、覚えておいたほうがよいでしょう。

注意したい旧指定成分の代表例

防腐殺菌剤:ソルビン酸、デヒドロ酢酸、パラベン
陰イオン性界面活性剤:ラウリル硫酸塩
変質防止剤:エデト酸
着色剤:青色○号、赤色○号など
油分:ベンジルアルコール

安全な化粧品を選ぶ-4

ユーザーの真実を知ろうとする努力が、本当に安全な化粧品を作りだすのです。

パラベンなど科学的な防腐剤が入っていない化粧品はないのですか?環境ホルモンの疑いがあると言われている合成防腐剤
健康をおびやかす化粧品の防腐剤

最近では、男性の精子の減少をはじめ、女性の子宮内膜症や乳ガンの原因になるのではないかと疑われている環境ホルモン(外因性内分泌撹乱化学物質)を、みなさんも耳にしたことがあると思います。

環境ホルモンが恐いのは、少量でも体内に蓄積されていき、何年後、何十年後に影響があらわれるからです。じつは化粧品の防腐剤として少量含まれるパラベンやフェノキシエタノールにも、この環境ホルモンの疑いがあると指摘されています。

パラベンはメチルパラベンのように○○パラベンと書かれているものもパラベン化合物で、洗顔クリーム、化粧水、保湿クリームなどに使われる厚生労働省に認められたポピュラーな薬品です。メーカーの立場からすれば、石油から精製された化合物なので、安価で保存効果も安定しているため、長期保存がきくといった流通させやすい製品ができるという点でメリットが大きいといえます。

しかし、パラベンは人間のホルモンバランスを狂わす環境ホルモンの疑いがあるばかりではなく、刺激が強く、つけた後に湿疹やかゆみを引き起こすことがある成分で、旧表示指定成分にも入っているものです。できるだけ避けたほうがよいでしょう。また、フェノキシエタノールもパラベンと同様に、殺菌防腐剤として化粧品に使われている成分です。自然派化粧品の中にも酸化防止剤としてビタミンEを使っていると宣伝しているものもありますが、ビタミンEだけで油脂の酸化を防止することはできないため、実際にはフェノール系化合物と併用しているようです。

注目したい天然の防腐成分

化粧品の油性成分は乳化されると、バクテリアやカビが繁殖しやすいので、パラベンのような防腐剤が使われるようになったわけですが、安全性に疑問が残る化学的な防腐剤を使わない化粧品成分は本当にないのでしょうか。

もう一度、原点に戻って自然界に目を向けてみましょう。たとえばローズマリーやヒノキチオールなどは、防腐効果を持つ天然成分で、安全性が高いものです。また、1回分使いきりのパッケージにして、防腐剤を使わないという商品もあります。

ですから、化粧品を買う前には必ずラベルを見て「危険な合成の防腐剤を使っていないかな?」と立ち止まってみることを忘れないでください。そして、できる限り自然のパワーを活かした化粧品を手にとりましょう。

素肌が楽に呼吸できるメイク用品を選びたい

天然の防腐剤

市販されている化粧品でも、安易に石油系の防腐剤を使うことなく、天然の防腐剤にこだわり、製品を作っているメーカーもあります。『オーブリー』の製品は防腐剤として天然由来のグレープフルーツエキスを使っています。これはグレープフルーツから抽出したエキスで、防腐効果だけでなく保湿効果もあり、肌や髪に自然の恵みを受けているという実感がもてる製品といえるでしょう。このような天然の防腐剤は、ほかのメーカーにもぜひ活用してもらいたいものです。

また、素肌に安全なせっけんをベースにしてシンプルな基礎化粧品を提案している老舗の『太陽油脂』では、合成の酸化防止剤・防腐剤はいっさい使わず、天然ビタミンEやヒノキから抽出したヒノキチオールの防腐効果を利用しています。

そのほかミヤウチ柑橘研究所のゴールド化粧水はネーブル、ハッサク、温州ミカンなど6種類の柑橘類を組み合わせて防腐効果を出しています。このように、ユーザーのニーズに応えた自然のパワーを活かしたケミカルフリーの化粧品の開発が進み、使い心地や価格もどんどん改良されています。ぜひ、毎日の生活に取り入れて、気持ち良くケアしたいものです。

安全な化粧品を選ぶ-5

ユーザーの真実を知ろうとする努力が、本当に安全な化粧品を作りだすのです。

素肌を洗う洗浄成分は、合成ではないものにこだわりたい合成界面活性剤がトラブルの大きな原因に
健康な肌の機能を壊してしまう合成界面活性剤

洗顔フォームで顔を洗っていて、肌がつっぱたり、乾燥してカサカサすることはありませんか。これは、肌の汚れを落とす成分として使われている合成界面活性剤が原因のひとつに考えられます。

合成界面活性剤とは「水分」と「油分」という本体、混ざらないはずのものを混ぜ合わせるために使われている成分です。その性質を利用して、洗顔フォームの洗浄成分やクリームの乳化剤として、多くの化粧品に含まれています。

しかし、合成界面活性剤は、毛穴の汚れだけでなく有害物質をブロックする皮膚表面のバリアゾーンまで破壊してしまい、毒性のあるものを体内に取り入れてしまう危険性があります。

美しい土台をつくる洗顔が、肌にダメージを与え、からだにも悪影響を与えてしまうようでは困ります。また、心配なのは人体への影響だけではありません。排水された合成界面活性剤は分解しにくく、水中生物に害を及ぼし、河川の汚染の原因にもなっています。

ブランド名や「自然派、肌にやさしい」などの広告コピーに惑わされずに、しっかりとラベルを見て合成界面活性剤の入っていない基礎化粧品を選びましょう。

素肌が楽に呼吸できるメイク用品を選びたい

合成界面活性剤のラベルの表記

ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなど、化粧品のラベルに表記される合成界面活性剤は、現在使われているもので数百種類もあります。

アレルギーを引き起こすもの、毒性が強いもの、発ガン性の報告があるものなど、その毒性はさまざま。比較的毒性の弱いものもありますが、いずれにしても皮膚のバリアを壊し、体内で蓄積されてしまうので避けたほうがよいでしょう。

安心できる天然の洗浄成分は短くてわかりやすい表記ですから、覚えておくとよいでしょう。美しい素肌を手に入れるためにも自然の力を借りましょう。

石けんを使った洗顔フォームの表記
石けん素地、カリ石けん素地、オレイン酸K(またはNa)、パルミチン酸K(またはNa)、ヤシ油脂肪酸K(またはNa)、レシチン

石けん天然の洗浄成分

では、「必要なうるおいうや油分をのこしてやさしく洗い上げてくれる」、肌にとって理想の洗浄成分とはいったいどのようなものなのでしょうか。第一にあげられるのは、素肌への安全性とおだやかな洗浄力で選ばれてきた、石けんではないでしょうか。

石けんの起源は古く、紀元前3,000年ごろ発見されたといいます。一説にはローマ時代の初期にサポーの丘で、いけにえの羊を焼いて神に供える風習があり、したたり落ちた脂と木灰(アルカリ分)が混じって自然に石けんができたものがはじまりとも。この地名であるサポーが英語の「ソープ」の語源となったのです。

驚くことに、石けんの製造方法は発見された当時から現在まで基本的に同じ、動物脂や植物脂にアルカリを加えたものです。人類は長い間、石けん作りのアルカリとして木灰、または海藻灰を使ってきました。

このように自然の原理そのままに作られ、昔から人々に愛されてきた石けんは、汚れを落としながらも皮膚を溶かしたりすることがない安心なものです。長い歴史のなかでも、人間の皮膚のバリアゾーンは、石けんによる洗浄に十分たえられるということが実証されています。

穀物天然の洗浄成分

色白で、きめこまやかな肌の日本の女性がずっと続けてきた美容法は、海外でも注目されているようです。ぬか味噌を作る女性の手が白くすべすべしていることは、よく知られていますが、これは米ぬかに含まれる数々のビタミン、ミネラル、パントテン酸、ぬか油など、素肌をきれいにする栄養素がたっぷりつまっているおかげ。

ぬかは、野菜をおいしく漬けてくれるだけではなく、肌にも栄養分を与えてくれていたのです。そう考えると、毎日ぬか味噌を手でかきまぜることで、知らずにスキンケアをしていた、昔の人の暮らしはとても理にかなっていることに驚かされます。

また、ぬかは芽を出す活性の強い酵素が肌の汚れを分解するので、洗浄成分の役割を果たしてくれます。合成の洗浄成分とは違い、ほどよく脂分を残して洗いあげてくれるところも、天然の洗浄成分ならではのうれしいところ。

ぬかとともに、昔から親しまれてきた天然の洗浄成分にあずきがあります。あずきに含まれるサポニンという成分が皮膚や毛穴の汚れを吸着して分解するので、ニキビに悩む人にもおすすめしたい和のコスメです。

クレイ天然の洗浄成分

クレイは、水に濡らすとヌルヌル感が出てきて、あたかも「自然の石けん」と呼びたくなるような珍しい性質があります。合成界面活性剤を使った洗顔料で毎日洗いつづけてバリアゾーンが傷つき、肌が乾燥しているような場合に、おすすめなのが天然の粘土であるクレイです。粘土の持つ吸着力で無理なく汚れを落とし、しっとり落ち着いた洗い上がりになります。

また、クレイはしばらく顔にのせておけばパックにもなるので、疲れは肌に最適。週末など時間のあるときに使って、自然の力で癒してあげましょう。

安全な化粧品を選ぶ-6

ユーザーの真実を知ろうとする努力が、本当に安全な化粧品を作りだすのです。

クリームを使えば使うほど乾燥肌になってしまうのはなぜ?クリームの乳化剤にも、皮膚のバリアを壊す合成界面活性剤が使われています
クリームの乳化に使われる合成界面活性剤

しっとりと水分を含んだみずみずしい肌は、誰もが憧れる理想の肌ですね。ですが、最近では夏も冬もエアコンのきいた中で一日中生活している私たちの肌は、常に乾燥している状態といえるでしょう。

そこで、乳液などのクリームをつけて肌に膜をつくり、水分が蒸発するのを防ごうとするのですが、化学成分で作られたクリームを使った場合、乳化に使われる合成界面活性剤が、肌のバリア機能を壊してしまうため、クリームを塗っても塗っても、肌が乾燥してしまうといった悪循環が起きてしまうのです。

そもそも、なぜ界面活性剤を使わなければいけないのでしょうか。クリームは、油分と水分をバランスよく合わせて作られたものです。ですが、本来、水と油は分離してしまうものなので、乳化することが必要になります。そこで使われるのが界面活性剤というわけです。界面活性剤を使った製品は化粧品に限らず、合成洗剤、シャンプー、マーガリン、マヨネーズなど多岐にわたります。

化粧品のクリームや乳液に多く使われている合成界面活性剤は、表皮のバリア層を壊すため、皮膚のうるおいや保護作用が失われてしまいます。その結果、アレルギーを引き起こしたり、発ガン性の懸念のあるタール色素や防腐剤など危険な成分を体内へ入れることになります。肌にクリームをつけた瞬間は、しっとりとした感触なので満足していても、それは気分的な問題です。それは肌が本来求めている自然なうるおいとはかけ離れているということを、しっかりと認識しなければいけません。

天然の乳化剤、せっけん、大豆レシチン

では、安全な乳化剤はどのようなものなのでしょうか。

たとえば、食品では安全な植物性の乳化剤として大豆レシチンがあります。合成界面活性剤よりははるかに安全といえるでしょう。大豆レシチンは肌に抵抗なくスッとなじむのでおすすめしたい成分です。

そのほかに私たちにとってなじみのある天然の乳化剤があります。それは、せっけんです。せっけんには天然の界面活性剤の働きがあり、乳化剤の役割を果たしてくれます。せっけんは肌に安全ですし、洗い流しても自然と分解するので、環境にもやさしいのです。

また、ヨーロッパでは比較的安心して使える乳化剤としてラノリンが使われています。これは日本では旧表示指定成分に入っていましたが、抽出するときの溶剤がアレルギーになっているという説もあります。

このように、化粧品を選ぶときには、できるだけ植物性のレシチンやせっけんなどを乳化剤に使ったものを選ぶようにしましょう。もちろんオイルの原料にもこだわってください。肌になじみやすくスキンケア効果の高い椿油、オリーブ油、皮膚の再生を促すアボカド油などがよいでしょう。

素肌が楽に呼吸できるメイク用品を選びたい

乳化剤のラベル表記

クリームに使われる界面活性剤ですが、合成のものによるトラブルが多く、気をつけたい成分の代表格です。化学式のような複雑な名前には要注意。これは化学合成成分であり、長い歴史の中で使われたことがない危険な成分であることを示しています。これでは、あなたの素肌が実験台になるようなものです。

そうなる前に化粧品のラベルをしっかり見て、せっけん素地やレシチンなどの天然の界面活性剤を使った製品を選びましょう。

クリームに使われる合成界面活性剤

○○グルタミン酸Na、
ラウレス○○○、
パレス○○○、
クオタニウム○○○、
ポリソルベート○○○、
PEG○○○

安全な化粧品を選ぶ-7

ユーザーの真実を知ろうとする努力が、本当に安全な化粧品を作りだすのです。

素肌が楽に呼吸できるメイク用品を選びたい石油由来のタール系色素が肌トラブルの原因になる
石油化学が機能性を高めたメイク用品

メイクの効用は、女性の気持ちを前向きにすること。でもそのメイクが、素肌にダメージを与えているとしたら…。

残念ながら、今のメイク用品は、発色やのびの良さという機能性ばかりが追求され、素肌の健康を考慮していないものが多いのは事実です。

そのメイク用品の機能性を飛躍的に高めたのも、やはり石油化学の恩恵?!なのです。石油化学は、ありとあらゆる色素を自在にし、しかも退色しないものを作り出しました。つきやのびのよさは、合成界面活性剤によるものであり、カバー力は、プラスチックとあまり変わらないものだからこそと知ったらどうでしょうか。

何時間もつけたままのメイク。言い換えれば、素肌に負担をかける化学成分でぴったりと覆ってしまうわけですから、トラブルが出てこないのが不思議なのです。

合成界面活性剤はメイク用品にも

化粧品のつきやのびをよくするためには、やはり合成界面活性剤が欠かせません。メイクを落とすクレンジングにも合成界面活性剤が使われています。ところが合成界面活性剤は皮脂を取り去り肌に浸透して、その機能を破壊しているのです。肌から体内に入った合成界面活性剤は、体液に混じってからだ中をめぐっています。

メイク化粧品でよく見かける合成界面活性剤では、「PEG(ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル)」とトリエタノールアミンが発ガン性を指摘されています。プロピレングリコールは血液に溶ける性質があり、肝臓や腎臓、脳への影響があるほか、染色体に異常を起こすとも報告されています。最近ではクレンジングに使われたオレス系合成界面活性剤(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、オレス-○○、○○E.O.)による角膜損傷などの目への被害が、週刊誌やテレビで報道されました。

色素沈着や発ガン性など、問題の多いタール系色素

石油由来のタール色素とは、全成分表示の最後のほうに書かれている「○色○号」というものです。タール色素はその化学構造から、多くに発ガン性や奇形を引きおこす可能性が疑われています。とくに赤色2号、102号、202号に代表されるアゾ色素は黒皮症の原因といわれ、赤色3号、だいだい色201号、黄色201号などのキサンチン色素は光によって毒性が現れます。

タール色素は色が重要なメイク用化粧品には必ずといっていいほど使われています。とりわけ皮膚が薄い目の周りに使うアイメイク製品や、口から体内に入る可能性が高いリップメイク製品にタール色素が入っているということは非常に怖いことです。

“食品添加物として認可されているものを使っていたり、使用量を制限しているので安全”といわれても、毎日のようにメイクすることを考えると、実際は相当な量を使っています。メイク用品を使っているうちにだんだん眉が薄くなる、唇の元の赤みがあせてゆく、ほおが黒ずむ、目がかゆくなるといった話は多いのです。

素肌が楽に呼吸できるメイク用品を選びたい